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2004年09月13日(月)  僕はあのとき、君をたくさん傷つけたね
僕はあのとき、君をたくさん傷つけたね。
昔の恋人が私にそう言った。
確かに、私たちはあのとき散々にお互いを罵って、そして受話器を叩きつけてその恋を終わりにした。もう二度と会いたくないと思ったし、そう思えば思うほど、同じくらいの未練も残った。いまこうして平静に話しが出来る日が来るとさえ、あのときは想像も出来なかった。
私はその昔の恋人に向って答える。
そうだね、とても傷ついた。
とても傷ついたけれど、同じくらい私もあなたを傷つけたと思っている。

私は信じている。
自分が傷ついたのと同じくらい、相手だってきっと傷つけてしまったろう。
私が泣いたのと同じくらい、彼も悩んだろうと。

けれど、それがただの自分勝手な自分のための気休めだということも、わかっている。
自分が思うほど、相手は傷ついてもなく気にしているわけでもないかもしれない。
でもただ、私が「相手も傷ついているだろう」と納得すれば、私自身が何かに我慢できる気がするのだ。傷つけられたことも泣いたことも、すべてうまく忘れてしまえるような気がするのだ。

だから、それはただの身勝手な自己整理の方法でしかない。


幸と不幸は、みんな同じ分だけ持って生まれてくると、誰かが言っていた。
まるで、どこかの宗教が唱える言葉のように聞こえるけれど、私は密かにその言葉を信じたいと思っている。誰かを傷つけたことも、誰かに傷つけられることも、それと少し意味が似ているような気がする。

私は、人を傷つけた分だけ、自分も傷つかなければいけない。
仕事で成功するたび、どこかで失敗は待ち受けているだろう。
幸せだと感じた時間だけ、不幸だと涙を流さなければならないだろう。
そんなふうに、私は自分に言い聞かせている。
けれど、その不幸や失敗を恐れているわけではない。
もしかしたら、いつか襲ってくる悲しみを思って、自分の気持ちの準備をしているのだ。
本当の意味で、自分が傷つかないように、本当の意味で、自分が落ちないように、
そうやって自己整理をして、心構えをしている。


卑怯だと誰かが私を指差す。
けれど、私は私の世界で私のルールで生きている。
あなたと私のその距離は、とても遠い。
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