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| 2004年06月03日(木) 魅惑の人妻、スーパーへと走る |
| 今日、外回りをしていたら、偶然、同僚の女の子(24)に出くわしたので、ちょっくらお茶でもしますかと、古き良き街角の喫茶店に入店二名様。あ、喫煙席で。古びた店内はやや薄暗かったものの、BGMで流れていた曲が70年代を思わせる風のものだったので、私たちはすっかりその音楽に感化されてしまい、ふふふ〜〜んと鼻歌をうたってみせるほどその曲を覚えてしまった。 確か、歌詞は「カルメーン、カルメェ〜ン」って言ってたと思う。よく聞き取れなかったけれど。歌詞の内容は捨てられた女の悲哀のような歌詞だった。歌詞だけ抜き出して聴けば演歌に通ずるものがある。男に捨てられた女が一心不乱にカルメンを踊っているのだろうか。すっかりそのフレーズが気に入ったので、私たちはそのばかりを鼻歌ってばかりいました。 なかなかこの曲が面白い。「カルメェ〜ン」っていう言葉のリズムがまず面白い。この面白さがみんなに伝わらなくて残念で仕方ない。ふたりでゲラゲラ笑いながらこの面白さを楽しんでいても仕方がないので、他の同僚の子にも教えてあげようと、夕方会社に戻るやいなや、同僚の女の子(25)の耳の側でぼそぼそ歌って聞かせてあげた。 でも、よく思うことなんだけど「面白いこと」っていうのは、その場にいないと全然面白さが伝わらないね。あの喫茶店では私たちふたりは確かに爆笑して確かにヒーヒー言って笑い転げまわっていたのに、同じ鼻歌を別の場所の別の誰かに聞かせてあげても、うんともすんとも笑ってくれない。なんでわからないの? この面白さが? つまんないナー。それにしても不思議だね。爆笑しているのはあの店にいた私たちふたりだけだなんて。もしかして、この目の前にいる人たちの笑いのセンスはおかしいんじゃないかしら。このメロウなメロディーと悲しみに暮れた女の悲哀をどうして面白いと思えないの。 ああ、そうか。わかったぞ。この目の前にいる女の子は、先ごろ結婚してしまったのだ。彼女は魅惑の人妻なのです。だから、女の悲哀がわからないんだ。そうだそうだ。売れ残り一歩手前の私たちの、ある意味悲しい笑いがわからないんだわ。きっとそうだわそうだわ。 「ねえ、ちょっと奥さん。今日の晩御飯なあに?」と聞くと、新婚ホヤの同僚は「カレイの煮付け。ていうか、もう帰らなきゃ! スーパーの特売に間に合わない!」と言ってスタコラと帰っていきました。 ヒーヒー言って笑っていた私たちは、目にいっぱい涙を溜めながらも、遠い目で魅惑の人妻の背中を見送るのでした。特売の卵、まだ残っているといいね。 というかやっぱり、カレイの煮付け何ていうものを作れないと魅惑の人妻にはなれないのね。どうやって作るのかさっぱり知らないけど。仕事を早く切り上げて旦那のためにカレイの煮つけを作ったりスーパーの特売に走るより、馬鹿みたいにヒーヒー笑いころげて鼻歌っているほうが、いくらか楽しいと思うけどなあ。これだけ年齢が近い私たちでも(24歳、25歳、私25歳)まったく違った日常を過ごしているもんなんだなあ。 人生いろいろ。 |
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