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| 2004年05月24日(月) 妄想して楽しんでいるのです |
| 最近の異母兄のご機嫌はとてもとてもうるわしくない。 つまりご機嫌斜めなのである。 兄はいろいろと文句を並べ立ててはクレームをつけてくる。 私にとってはクレームを付けられる筋合いではないと思うのだけれど、兄の思う部分も何となくわかるような気がして、ひっくり返ってブータレている兄の言葉をハイハイと聞くようにはしている。兄は、私が最近とても親しくしている、ある男性のことをとてもとても気に入らないのだ。別に、私は兄にこれまでの恋人を紹介したことはないし、恋人が出来ただの恋人と別れただのという細かい報告をしているわけでもない。ただ、話しの延長上で私が恋人と別れたりくっついたりしていることを、兄は何気なく知ることとなる。 兄が私の恋人のことを気に入らない理由は、逆に私が兄の立場だったら同じように気に入らないと思うだろうな、という出来事があったから。でもそれは一方的に彼のせいではなく、半分は私のせいでもあったりする。兄と彼が接近して何かが起こったというわけではないけれど、彼と兄は顔見知り程度な間柄であり、二人はまったく知らないもの同士というわけでもなない。ただ、ちゃんと顔をあわせて話したことがない。 このままだと、血を見るのではないかしら? と私は本気で思う。それぐらい兄は沸々としている。もう少し時間がたてば兄の温度も下がって彼に無関心を貫くようにはなるだろうけれど。 兄と彼がケンかをしたらどちらが勝つかな? と私は想像してしまう。 兄が彼の顎に右ストレートをめり込ませる。 彼はつま先で兄の鳩尾を突き上げる。 なんてねー。 でも、そうなったらなったで見てみたいなあ、ふたりのケンカを。なんか面白そう。 兄の友人が言うには、学生の頃の兄はケンカをさせたら強かったといっていたし。本当かどうかは知らないけど。彼は彼で一時期ボクシングをしていたそうだ。今はビール腹だけど。ああ、でもふたりが会っちゃったらどうなるんだろう。兄は多分機嫌悪くなるだろうな、彼は彼で兄のことを牽制しているしなあ。私の中でも、父に彼を紹介するより、異母兄に彼を紹介するほうがとても緊張することのように思える。なんかそんな気がする。やばいやばい、血を見ないためにも二人の距離を保たなければ。妄想を膨らませて楽しんでいる場合じゃないよ。 と、思っていた矢先、私の部屋で彼とテレビを見ていると「ピンポーンピンポーン」とインターホンが鳴った。受話器を上げるとなんと兄じゃないの! やばい。血が出る、血を見る、歯が砕けるか骨が砕けるか。何とか兄を追い返そうとするけれど、もうドアの前に立っている兄を追い返すことも出来ず、部屋に上げないでドアの前で用を済ませるのも不自然だ。 慌てふためきながらも事の次第を彼に告げ、息を飲んでドアを薄く開く。彼は私のすぐ後ろに立っていてドアのすぐ向こう側には兄の顔が見えた。ゆっくりとドアを開けると兄が彼の姿を認めたのがわかった。きゃあ、始まった! 私の頭の中でゴングが「カーン!」と鳴ってレフェリーが「ファイッ!」と腕を交差させて振るのが見えた。もし、険しい雰囲気になったら私は彼と兄のあいだから飛びのいて腕を組んで目を潤ませて「お願いだから、やめて」と殴り合いを見守ろうかとも思った。30前の男と30過ぎの男のケンカを私が止められるはずもない。大人気ないけど、この人たちはきっとケンカするだろうという気がする。きっとするね。「ヤッチマイナ!」とルーシーリューは言うだろうし、竹内まりやは「ケンカをやめてぇ、二人をとめてぇ、私のためにぃ争わないぃでぇ、もうこれ以上ぉ」と歌うかもしれない! きゃあ、私の中でサディズムな期待とマゾヒズムな願望が交差シテイマス! で、結局どうなったかと言うと、米ソ両首脳の会談は和やかなうちに終わりを告げ、冷戦時代にピリオドを打ったわけである。会談前の握手は13秒だったが会談後には報道陣のカメラに笑顔を振りまき30秒も握手をしあったわけである。 なんかツマンナイ。ふたりとも大人すぎる。もっとこう、欲望をむき出しにしてさぁ、こう、熱くなってよ。つまんないよ、そういう笑顔はサァ。わかりあっちゃったような顔してサァ、なに仲良くビールなんか飲んでるの。バッカじゃないの。私が気を揉んでたのがアホみたいじゃない。もっとケンカしなさいよ。殴り合いくらいしてよ。血ぐらい出してよ。うちの救急箱にだって擦り傷・きり傷の塗り薬と絆創膏くらいあるわよ。やっていいんだよ? それぐらいならやってもいいからサァ。ちょっとそんなに肩寄せ合って仲良くするのヤメテ。気持ち悪い。もうちょっとサァ、こうサァ、「あいはお前になんかやらん!」とか「あいは僕のものダ!」とか、言ってくれないの? やりあってくれないの? 奪い合ってくれないのー? おかしい、おかしいよ。君たちはおかしいよ。つまんないよ、笑えないよ。バッカじゃないの、なにが男の友情だよ。なにが今度また飲みに行きましょう、だよ。なにが「いい奴じゃん。」だよ。なにが「いいお兄さんだなぁ」だよ。ふたりがケンカを始めてくれなきゃ、私はルーシーリューにもなれないし、竹内まりやにもなれないじゃないか! そんなのダメだよ! つまんないっつーの。ツマナーイ。ツマナーイ。 あー、なんか他に面白いこと起きてくれないかなー。 |
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