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2004年05月15日(土)  奥さま?
五月晴れの土曜日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日の私は、彼のお引越しを手伝ってまいりました。雨が降ったり強風が吹いたり曇って蒸し暑かったりと最近の天気は変なのばっかりでしたが、今日は引越し日和。朝、6時に目が覚めて髪をしばって汚れてもいいジーンズはいて腕まくりをして、本当に今日は気持ちのいい天気だなあ。
お昼前に、引っ越しセンターの男性がふたりやって来て、あっという間にタンスもベッドも山のようなダンボールもトラックに乗っけてくれると、がらんとした部屋にはちょっと淋しげな彼の姿。
ここに大学生の頃からずっと住んでたんだって。ちょっとお金も溜まったから広い部屋に引っ越すんだって。「ここって、こんなに広かったっけかなぁ」と。

新しい部屋まで、私たちは車を走らせて行くと、まあとってもきれいなマンション。トラックも到着して引っ越しのお兄さん達が器用に家具を担いで、えっさえっさと階段を上る。彼が後ろからわっせわっせとダンボールを運ぶ。すると、先に部屋に上がっていた私に向かって「奥さん、これはどこに置きましょうか」とお兄さんが言う。え? 奥さんって。きゃあ、奥さんって言われちゃった。「あ、あ、そこら辺でいいんじゃないんでしょうかねぇ。よくわからないけど」いやあ、夫婦って思ってるのかなぁ。夫婦? 夫婦? きゃあ!

部屋に戻ってきた彼に、「ねえねえ、『奥さん』って呼ばれちゃった、『奥さん』だって!」と、耳打ちすると、「ええ? だってこの荷物の量を見たら二人暮らしとは思わないんじゃないの?」だってさ。ツレナイねぇ。「からかわれてるんだよ。きっと」と言ってアハハと笑いながら彼はまたダンボールを取りに下までおりる。ホント、ツレナイ。えーい、働け働け。さっさとダンボール持ってきなさいよ。私がダンボールを開けて戸棚に適当に隠したりクローゼットに押し込んだりしてると、「奥さん、ベッドはこっちの部屋で良かったですか?」とまた言われた。「はい、そちらで結構でございます。」と、なんか奥さんって言われると大金持ちのご夫人になったみたい。そちらで結構でございますわよ。オホホ。「これはここら辺に寄せといて良かったですか?奥さん」「このダンボールこっちに置いときますね、奥さん?」と、何回も奥さん奥さんって言われると、そのうちなんか自分が疲れた主婦のような気分になってちょっと飽きてきた。ちょっとアンタたち、私はレッキとした独身女性、ピチピチではなくなってきたけど、まだ人のものにはなっていない25歳なのよ。オバサン扱いしないでよ!
全部の荷物を部屋に運んだら、ここで引っ越しセンターのお兄さん達とはお別れ。彼に言われて冷たい缶コーヒーをふたつ買ってきて、彼らに手渡すと、「お幸せにね。奥さん」と、また言われた。やっぱりこの人たちは私をからかってんだわ! 『奥さん』って言われて喜んでた私をからかってたんだわ! ムカツクー。「幸せになりまーす。」とトラックに手を振って私と彼はまたセコセコとダンボールの開封を始める。「ちょっと奥さん、これはここに置いてくれるかな?」「ちょっと奥さん、開いたダンボールはちゃんと畳んでおいといてね。」「ちょっと奥さん、煙草吸ってないでこっちを手伝ってよ」と、彼まで私をからかい始める。ハラタツ。どうして彼にまで奥さんって言われなきゃいけないの。あなたは、「おい妻よ」とかなんとか呼びなさいよ。あなたの奥さんって呼ばれたんだからね、私は。「おーーい、妻よー。新妻よー。」と、ベランダの外からヘンな雄たけびが聞こえる。外をのぞくとダンボールを片付けに外に出ていた彼がこちらへ手を振っている。恥ずかしいからやめて、近所迷惑だからやめて、私は別にいいけど、今後ここに住むのはあなたなんですけど。その叫び声でたぶんきっとこのマンションの3分の2の住人はあなたのことをバカかアホかと思っていると思うよ。「○○号室に新しく引っ越してきた○○さん、ちょっと頭悪いらしいわよ、いやあねぇ。」と本物の『奥さま』連中に噂されるよ、きっと。「ダンボール、もう、なあぁーいー?」と外で一生懸命叫ぶけれど、恥ずかしくって私はナイナイと手を振ってすぐ窓を閉めた。恥ずかしいこと極まりない。


今日の目標だった「今日のうちに引っ越しをぜんぶ終わらせる」は達成され、私たちは念願の焼肉屋へ。労働のあとのビールと肉は美味。
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