| days |
| 2004年03月21日(日) コミュニケーション |
| 入院して通算一ヶ月がたとうとしています。いや、3週間くらいかもしれないけど。 病院の中には、いろんな病気の人が入院していて毎日毎日生と死が交差している場所だと思う。建物のどこかには新生児室があって地下にはきっと死体安置室がある。また患者を看護したり診察するためには何百人という職員が働いている。 そんな大勢の人たちがいるこの病院の中で、私は一ヶ月近くも入院しているというのに、一切コミュニケーションをとることをしていません。担当看護士の名前なんてぜんぜん覚えていないし、毎日顔を合わすほかの看護士だって、看護助手や部屋を片付けてくれる人とだってあまり口をきいたことがありません。 というのも、それは私がいまは誰とも話したくないと思っているからです。看病してもらうのに必要な会話以外はあまり話しが続かないし、看護士たちが私の機嫌をうかがって話しかけてくることが、どうにも煩わしく思えるからです。少し前なら、夜勤で巡回してくる看護士と一言二言話すことはありますが、最近は私が一日中眠っていることも重なってその看護士とも一切顔をあわすということをしなくなりました。隣の病室の人だって、どんな顔をしている人かもわかりません。 その点、異母兄なんかはもうすべての看護士の名前を覚えています。あの人はマメなんだよね。結構、女性の看護士と仲良くしてたりするし、私に「こんなに気を使って看護してくれているのに、名前も覚えずにむっつりした顔をしてると、愛想がないぞ」とさえ言います。余計なお世話です。 で、つい一週間前ほど。たぶん、病院側はこんな患者にほとほと手を焼いたのかどうかは知らないけど、担当看護士を交代してきました。男性看護士です。女の手じゃおえない患者とみなしたのかしら。あ、あれが原因かもね。あまりにもご飯食べろとか薬飲めとかうるさく言われ、今やろうと思ったのに早くしなさいと先に相手に言われてしまってちょっとカチンと来たことがあったりとか、その人の話すことが私にとってはあまりにも無神経だったことがあって……。あとに起こった出来事は省略するけど、えらく機嫌が悪くえらい剣幕で怒ったことががありました。いや、なんかこうやって書いてみると私ってとても子供じみてるなぁ。なので、担当看護士交代ということかもしれない。いや別にどうでもいいけど。 「こんにちは。○○です。よろしく」と、なんだこの人の顔はとても怖そうじゃないか。メガネの奥の目が鈍く光ってるよ。と、新しい担当看護士は顔が怖い。怖いというかとても無表情で冷淡という第一印象。仕事は出来そうなんだけどとても淡々としてそうで近寄りがたいオーラを出している。そんな顔で務まっていけるのかしら、看護士。と、人の顔に文句をつけながらも、彼が私を担当してくれることになった。 彼は主に昼間勤務することが多いらしく、夕方になると私の部屋をのぞいて「これから帰るよ」と言いにくる。「また明日」と私も答えるけれど、彼はその後、私の部屋でテレビを見て過ごすか私の持ってきた本を読んで過ごす。或いは私と会話をする。彼が病室にいたとしても私は気を使わず本を読み続けるし、テレビのニュースを見続ける。ヘッドフォンをして音楽を聞いていればそれを外して話をしはじめる。そうして数時間過ごした後、彼は家路につく。最近は、顔が怖い人だなぁという印象もなくなり柔和な人というかおっとりした人というか、でもやっぱりメガネの奥で光る眼は鋭く、どこか頭の中では緻密な計算をしていそうな印象。あんまり第一印象からはそんなに変わっていないかもしれないけど、とにかく少し印象は変わった。 入院して一ヶ月弱、とにかくこれが初めてのコミュニケーションなわけです。遅すぎですが。 |
| Will / Menu / Past |