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| 2004年03月02日(火) 私が彼女を好きな理由 |
| 私が彼女を好きな理由。 そうだね、それは私と違うところがあるからかもしれない。 会社の同僚である彼女は、私より年齢はひとつ下だけど、中途採用で入社した私よりは社歴は1年多い。と言っても、社会人歴2年と3年じゃ、どんぐりの背比べだとは思うけれど。 私が思う彼女は、 優先順位をつけるのが下手で、何をするにもスローで時間がかかり、周りの人に気を使ってばかりで人の意見に流されてしまうのに、けれどその半面プライドも高く、毅然とした態度をとるときもある。とまあ、散々なことを書いているけれど、彼女のイメージは本当にそれそのものだと思う。 彼女と一緒に仕事をする機会が多く、たまに私は苛々させられ、議論になることもしばしばだけれど、本当に自分の反対側にいる彼女は、私にとってとても興味深い人物になった。 仕事以外でも、よく帰り際に食事に行ったり飲みに行ったりすることも多い。 私は、どちらかと言うとビジネスライク的な関係のほうがらくだと思うので、同僚と仕事以外で一緒にいるのは苦手だし、周りから見て仲良くしているクライアントがいたとしても、本当のところはそんなことも好きではなかった。そんなときは無理をしているというか、おどけていたりする。だから、仕事上では人間関係を新たに作ろうという気持ちになれない。 彼女は、こつこつと仕事をする。私は面倒くさがりなので大雑把に大胆にやってしまって、残った細かい仕事は一気にまとめてしまうことが多い。彼女は無邪気だし純粋で、たとえば恋愛の始まりなどでは、相手の一挙手一投足に敏感に反応して泣いたり喜んだりしている。私は、気分にむらがあるので、どちらかというと相手を泣かしたり喜ばせたりしている。 彼女と、いちど上司の話をしたことがある。 私は、上司は上司でも同じ人間ではあると思うので、たとえどんなに経験があり功績をあげた人であっても、失敗はあって間違うこともあると思っている。だからこそ意見の交換が必要で、それに私の意見を正しくジャッジしてくれる人こそが上司なのだと思っている。その考えはどうして正しくないのか、説明してくれるのが上手い上司のやり方だと思う。けれど彼女にとって上司は、絶対的な存在で、上司の言うことがすべて正しく異見をすることが許されず。彼女がどんなに自信を持って懸命にやった仕事でも、上司に指摘されれば自分の主張をすることなく、すぐに方向転換しなければいけないことだと言う。 このとき、本当に自分と彼女との違いを実感した。 けれど、私と彼女が違うからこそ、私は彼女が好きなんだと思う出来事があった。 彼女とともに仕事をしたとき、あるコンペで私たちはコンペ落ちをしてしまった。ふたりで一生懸命やった仕事だったし、コンペ落ちした理由が納得できるものではなく、もしかしたらコンペは形だけで既にどこの会社と契約するかは、明確になっていたのではないかと上司も言っていた。角が立たないようにととりあえずなコンペだったんじゃないかと。 私は、散々と文句を言い、悔しがった。 けれど、彼女は苦笑いを浮かべても、一度も愚痴も弱音もはかなかった。 仕方ないですよ、私たちだって完璧とは言えなかったんですから。 そのとき、私ははっと我に返って彼女の言葉に頷いた。 その後、彼女をずっと見てきたが、一度だって愚痴も弱音も言い訳も言わなかった。たぶん、これまでも言ってなかったような気がする。我慢強いというわけでも内省的というわけでもなく、彼女はどんな理由があるのかは知らないが、悔しがることはあるにせよ決して驕ることはなかった。 私は、そんな人を見たことがなかったし、そんな人と距離を近くして居たこともなかった。 とても新鮮だったし、とても驚いたし興味深かった。 そこが、私が彼女を好きな理由。 自信をもってはっきりとそう言える部分だ。 |
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