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2004年02月20日(金)  頑張れ
今日は一日中、自分の携帯を見なかったかな。
帰りの電車の中では、本を読み、けれどちっとも文章が頭に入ってこないので、窓の外を、けれど真っ暗なんだけれどずっと見つめていた。
好きだった曲で、「夜の中を電車が走り抜ける」、みたいな歌詞があったのを思い出した。
とても好きな曲だったけれど、あれは誰の歌だったろう。
東京の都心は、明るいところと真っ暗なところ、本当に区別されていて、オフィス街なんかはとても真っ暗な感じがする。夜になればあまりひとはいないから。その夜の中を、完全なる闇ではないけれど、少し平衡感覚をなくしてしまいそうな、夜の中を私を乗せた電車は走っているんだなあって、そう思うと、そんな歌詞を思い出した。あれは誰の歌だったろう。

海に行きたいなあ、と思った。ひとりで。電車を数時間乗って。知らない土地だけど、知っている海。海に行きたいなあって、疲れた日には、とてもよくそう思う。

真っ暗な中を電車が走って、やがて駅に吸い込まれると、私たちはやっと我が家へとたどり着く。
部屋には、兄がいて、お風呂の準備も出来ていて、疲れた顔をしないように、出来るだけ明るい顔をするように、ドアの前で少し肩に力が入るんだけど、やっぱりそういうのって、なんだかナンセンスだよって、自分に言い聞かせて。だから私は普通の顔で普通の仕草で、だから私はいつものようにテレビを見て湯船に浸かって、だから私は兄に心配かけたくなくて兄に罪悪感を感じさせないように、だから私はいつもいつも毎晩毎晩。

私のために用意された部屋には、私のためのベッドがあって、バッグから携帯を取り出したら、メール1件の表示。


ただ一言。
「頑張れ」って。
メールにただ一言。それだけ。

応援されたって頑張れって言われたくないんだ。ずっとこのままでもいいんだ。だからだから励まさないで。そう思う反面、とても涙が出て、ああ、私頑張らなくちゃって。みんなが心配して私のことを気づかって、だから、私頑張らなくちゃって。そう思うと涙が出た。頑張れってただ一言のメール。私はそれに応える気はあまりもてないけど、けど、メールの相手に私はとても泣けて、だからだからずっと泣いていた。ごめんね。心配させて本当にごめんなさい。
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