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| 2004年02月18日(水) very far from you |
| 少し厚い雲の下、私は友人と海に来た。ここは関東といっても東京からはとても遠い場所。 This is the land very far from you, I never can hear your voice. 私はその歌を鼻唄う。 砂浜に下りて、靴を脱ぎ靴下を脱ぐ。友人はドアを開いたままの車の座席にまだ座っている。 薄い青の海は、ずっと向こうに続くにつれその薄さを増していっている。海が青いのは空が青いから。空が青みを失いかけていれば海も薄い青になる。空を映して海は静かな存在感をたたえている。 海は、私の生まれた町にもあった。年中、サーフィンをする若者が集まり、その町の住民は海に親しんだ。保育園から中学生まで遠足の行き先と言えば、その海だった。小さな町に大きな海。その海は隣の街にも隣の大きな町にも、ずっと続いて、その恵みを注ぐ。 私には、いま何もない。何も持っていない。自分自身さえ失った。とても空虚だ。 居場所がなくても、意味を見いだせなくても、私はこれからも生き続けていかなければいけない。 海のように、平然としていられたらいいのにと思う。海のようにじっとそこに居るだけで存在感をかんじさせられればいいのにと思う。 すべて、私のもやもやをその白い波が吸い取ってくれたらいいのに、と思う。 この場所は、あなたのいるところからとても遠いところにある。だから私はあなたの声も聞くことが出来ないし、あなたの顔に触れることも出来ない。 |
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