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2004年01月21日(水)  悲鳴
悲鳴をあげた。
もちろん、心の中で。

みんなの顔を見るたびに、怖ろしいと思う。

メールを送ってくる友達は私の様子を何気ない言葉で伺い、返信メールを見て、せせら笑っているのかもしれない。アイツには当然の報いだって。

応接室でにこやかに笑うクライアント。あがった口の端で、コイツは馬鹿で傲慢で世間知らずな娘だと思っているのかもしれない。

隣の席の同僚が私に話しかける、答えた私の言葉を聞いて、一瞬間をあけた。トイレで会ったもうひとりの同僚と、私の失態を大笑いしているかもしれない。知ったような顔をして言ってることは意味がよくわからないのよねって。

改札で別れた恋人が、ホームから私のいなくなったのを確認して携帯を取り出す。長くなっちゃってゴメンネ。アイツ、うっとうしくってさ、帰らせてくれないんだもん。早く君に会いたいよ。電話の向こうの女は、笑っている。


みんな、嘘をついているのでしょう?
みんな、影で私を笑っているんでしょう?
みんな、私の前では懸命に取り繕っているのでしょう?
みんな、私をからかっているのでしょう?
私が、思い込んでいたのはすべて嘘だったんでしょう?

あなたが言った言葉も、あなたが見せた笑顔も、ぜんぶぜんぶ嘘だったんでしょう?
つくりもので偽っていたんでしょう?

だって、そうとしか考えられない。
だって、こうなったことに、みんながどこかで笑って喜んでいるようにしか思えない。
こうなったことを、あなたも喜んでいるようにしか思えない。

悲鳴をあげながら、私はそう思う。いつもいつも。
だから、もうわかった。誰も信じないほうが幸せだって。
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