雲間の朝日に想うこと


< 口先だけで操る心算ですか >


高く、
高く、
壁を築き上げる為に。


飽く迄、
土台から石を積み。

徐々に、
徐々に、
創り始めるけれど。




其の土台に、
隙間が生じれば。


護りの術として、
壁は、
役を全う出来無いのだ。





高く積まれた、
立派な壁自身の重みに、
耐えかねて。

土台が、
自壊して終うから。










築き上げて来た筈の、
信用に。

何処か、
隙間を感じたならば。



其の信用を、
何れだけ積み重ねたとしても。

感知した隙間から、
土台ごと、
崩れて終うのかも知れない。













家を出て直ぐ。

忘れ物に気付き、
家に戻ると。


姫は慌てて玄関先に現れ、
満面の笑顔で、
俺に口付けをした。



 「なんで戻ってくるのよ〜。」

 「忘れ物。」

 「半分吸っただけだからね。」
 「吸い込まないで口に含んだだけだから!」












子の存在を確認すれば、
吸わぬと、
言った筈の姫は。

煙草特有の匂いを、
紛れも無く宿して居る。






信用を失うのは、
一瞬で、
簡単で。

其の信用は、
記憶が消えない限り、
取り戻せないのだ。


其れは、
俺も同じ事だけれど。





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References
 Jun.25 2005, 「半ば投げ遣りなのでしょうか」


2005年07月06日(水)


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History
2004年07月06日(火) 妙な妥協をして居ませんか
2003年07月06日(日) 何故の御機嫌伺いでしたか





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