雲間の朝日に想うこと


< 対抗心だけでしょうか >


長い髪が好きだと、
そう伝えた事が有る。

短い髪に向かって、
そう伝えた事が有る。


ただ嗜好の問題だけでは無く、
あの男への対抗心と、
今を壊したいと言う願望が、

あれだけ強い想いを俺に齎した事は、
疑い様が無い事実だ。










小さな彼の勘違い。

幼気で素直で悪気の無い、
容赦も無い言葉。


 「年下なのに呼び捨てしてる〜!」


貴女と共に呑んでいた同い年の友達は、
皆貴女より年下に見えると、
小さな彼は呟いた。






貴女の苦しさは、
俺が一番理解出来ていると想っている。

子供の素直な眼が、
例え貴女が同い年より年上だと主張しても、
俺の奥底が揺れる筈も無い。




けれども貴女は、
髪を切る道を選択した。


 「きっとみんな髪短いからだよね。」
 「美容院行って来る!」










寂寥感と嫉妬心、
そして何より敗北感。


貴女の近くに存在するのは、
俺では無く、
どうしても小さな彼なんだ。
















女であろうとする貴女の気持ちは、
理解しているつもりだけれど。



 「髪を切ったからって変わらないよ。」
 「どっちかと言うと長い方が良かった。」



そう冷たく言い放った小さな彼の言葉は。

もしかしたら、
俺が一番言いたかった言葉かも知れない。


2003年04月14日(月)


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2002年04月14日(日) お互いが道化師でしょうか





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