雲間の朝日に想うこと


< 覚え終わりましたか >


下からじっくりと観察をする。

全精力を傾けて、
まるで獲物を狩るかの様に。


揺れる動きを捉えて、
放たれる音を逃さず、
一つ残らず脳裏に叩き込む為に。




其の作業を、
着々と続けて来たからこそ。

其の作業を、
黙々とこなして来たからこそ。


例え受話器越しであっても、
俺は貴女を、
目の前に浮かび上がらせて抱けるんだ。














貴女は夢で、
俺の姿を追えるから。


想いを形にして、
俺の姿を感じられるから。



 「私、小坊主に乗ってる夢見ちゃった。」
 「小坊主が言ってたでしょう。」



けれども俺には、
その能力が備わっていないから。


だから目の前に貴女が居る時に、
手で触れて、
足で触れて、
目で触れて、
身体で触れて、
一挙手一投足を身体に覚え込ませておく。



 「貴女が俺の上で動いてるよ。」
 「名前の最初と真ん中にアクセントが来るんだよね。」















貴女が夢中になっている間でも、
俺が恍惚に埋もれる前に、
終わらせて仕舞わなければならない。


波長を合わせ、
色彩を合わせ、
形を合わせ、
貴女を残らず脳裏に設置するのだ。



意外と必死に。


2003年04月01日(火)


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2001年04月01日(日) 主な人





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