先日、NHK−BSで放送された「BS日本の歌」を録画してもらった。じつはBS放送は我が家でも受信できて、今まで録画をしていたのだが、ついに画像不良となり見ることができなくなった。 テレビ自体は、もうかれこれ5、6年以上になると思うが故障したままで、今では部屋の置物と化している。アンテナのケーブルの関係で、BS受信機内蔵のビデオデッキをこのテレビ台に設置しているが、この受信装置がだめになったようで、ここ半年くらい前から映らなくなっている。
私自身はテレビを見る生活はしていないのでどうでもいいのだが、「BS日本の歌」だけは、たまに録画して見ることがある。このためにだけNHKに受信料を払うのももったいないのだが、解約手続きをするにも手間だし、放っているのが現状だ。 しかたなく、親類の姪に頼んで録画してもらっていたが、今や彼女も就職で出て行ってしまった。さらにしかたなく姪のお母さんに頼んでいるわけである。
たまたま番組を見て録画を思い立ったわけであるが、理由は「三沢あけみ」の名前が載っていたからだ。その昔、私が小さい頃、白黒のテレビで、デビュー曲「島のブルース」を歌って活躍しているのが記憶に残っている。ヒュー、ヒューと口笛が入った印象的な曲である。それ以来ずっと歌手活動は続けられていたのだろうが、あまり記憶にはない。それがここ数年、テレビにも登場するようになってきたように思う。
だいたい歌謡曲自体が衰退していっているので、昔のようにテレビにしょっちゅう登場するというわけではないが、NHKの歌謡番組などで歌っている。私が気に入っているのは、その歌唱力である。ワウワウと激しいヴィブラートをかけるのがまたいい。独特の深い声色も魅力的だ。 今回の「BS日本の歌」では、「再会」と、オリジナルだと思うが「天国と地獄」いうリズミックな曲を歌っていた。真っ赤なドレスだったが、お歳のわりには似合っていたと言っておこう。
その後、大御所が登場した。「ばたやん」こと田端義夫である。85歳と聞いてびっくりした。さらに現役でまたびっくり。 ギターを真横に抱えるスタイルは彼のトレードマークだ。いつもなら「オッス」の掛け声とともに登場するのだが、今回は静かに歌い始めた。「帰り船」でのしぼり出すような声も特徴がある。所々で音程が不安定になりそうになるが、それでも高音部になると生き生きと伸びやかな美声を聴かせてくれた。
尊敬に値する人物である。
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