「パイナップル・パーク」は本部半島にあるが、ここから那覇方面まではかなりの距離がある。高速道路を利用しても2時間近くかかるだろう。ということはこれから回るポイントは1、2箇所に絞られる。 今回行こうと決めていた場所は「東南植物園」。思い出の場所だ。これもカーナビにインプットすると難なく到着することができた。
やはりここも人は少ない。園内には電気自動車が走っているが、歩いていくことにした。日陰を選びながら、そして適当に休めがいいのだから。大型サイズの「ハイビスカス」もこの暑さでは元気がない。暇をもてあましているファーストフード店でかき氷を食べながら、今日、この後の予定を相談した。 妻は他にもたくさん行きたいところがあるようだが、どうも時間が中途半端なので今から移動するとなるとほんとうに中途半端になってしまう。結局、この後はホテルに直行することにした。
ホテルがある場所は首里。その昔、琉球王朝が栄えていたころのお城があるところだ。そしてその昔、妻といっしょに泊まったのがここ「ホテル日航那覇」である。しかし、どうも雰囲気が違うのだ。もっと小高い丘にそびえ立っていた様子が脳裏に焼き付いている。高速道路を降りて街中を愛車「ニッサン・キューブ」で駆けてきたわけだが、周りの景色が一変しているようでやはり違うホテルだったのかなと思ってしまった。こんなに家々がつんではいなかった。今はほんの近くまでいかないとホテルのありかがわからない。それぐらい周りに高いビルや家が立ち込んできているのだ。20年の歳月に驚きながらも妻と思い出話にひたった。
たしか部屋からプールが見えたはずだと思いながら、到着した早々、外を眺めてみた。たしかに窓の外には野外プールがある。ホテルの庭に当時のままあるにはあるのだが、どうもせせこましい感じがしてならない。おそらくその時はふたりとも浮かれ気分だったので、見えるものすべてがバラ色だったんだろう、とお互い見合ったわけである。
さあて、今日の夕食は何にするか、それが問題だ。三人でああでもないこうでもないとやったが、結論は出ない。ではとガイドブックをたよりに歩いて近くの料理屋に向かうことにした。
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