『平和記念公園』は、先ほどの『ひめゆりの塔』と目と鼻の先である。同じ道沿いなのですぐにわかる。
こちらは公園というだけあって広大な敷地である。さっそく駐車場に車を止めて歩き出すと、またもや呼び止められた。今度は2、3人のおばちゃんが「お花、買ってよ。」 さすがの妻も、今度は無視したようだ。公園内に入っていったが、だれもいないではないか。探せばあっちのほうにちらほら。空気はからっとしているようだが、それにしても雲ひとつないこの空からの日差しはかなりきつい。少し歩いて木の影で一休みだ。どうも娘の機嫌が悪い。「想像していたのと違う!」と。そりゃあそうかもしれない。

この広さはとにかく半端じゃない。ずっと向こうには、平和祈念堂が見える。あそこにたどりつけば何とかなる。日頃暑さの鍛えがない輩には、屋根の下が一番だ。 また階段が激しい。ほんと助けてくれといいたくなる。やっとの思いで入り込んだだけあって、中はひんやり、そして誰もいない。ちょっと不気味だ。まん中に堂々とした仏像が鎮座している。
案内板には、外に美術館が併設されていることを告げている。どれどれと渡り廊下らしきものを伝って行ってみるが、自動ドアが開かないではないか。あたりを見渡しても誰一人いない。中に入ることができたのだが、けっきょくドアの調子が悪かったみたいだ。
展示されている絵は、日本の画壇を代表する人たちが、寄贈しているらしい。三人で批評しあいながら美術館を後にしたが、館内にちょっと気になるあいさつ文が掲げられていた。 それにはこうあった。(うる覚えだが、意味は同じ・・・)
〜沖縄の最も悲惨な戦場となった、ここ「摩文仁の丘」から戦争の無益さ、平和の尊さを発信しているが、近年訪れる人が少なくなった。ひとつの要因として、観光会社の営業方針があるようだ。それは、各地のテーマパークと違って、観光客を連れてきたからといって何も営業にプラスにならないからだ。だから、観光コースにこの地を組み込まないようになってきたと。〜
まあこういう理由もあろうが、それにしてもこの炎天下で散策するのは私たちだけか・・・。


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