今月の「The CD Club」は『デューク・エリントン名演集』。
ついでにというか、こちらがメインというか『アントニオ古賀ギター』もいっしょに購入した。 これはアントニオ古賀のエンターテイメント性が表れた内容で、代表曲である「その名はフジヤマ」から始まって、ラテン、歌謡曲、オリジナルと30数曲の盛りだくさんコストパフォーマンス抜群タイプのCDとなっている。
古賀と名が付くくらいだから古賀政男の門下生に違いはないが、単なる歌手ではなく、どちらかというと歌もうたうギタリストといったほうがよい。古賀政男自身、ギターを弾き、そして数多くの名曲を残している。 「影を慕いて」はギターの伴奏による名曲中の名曲になっているが、このCDではギター演奏のみとなっている。アントニオ古賀は自身でギター伴奏をしながら歌うこともある。ギタリストなので、伴奏もありきたりではなく、編曲が凝らされていて芸術性を高めている。
「デューク・エリントン」のほうだが、今年は没後30周年に当たる。1974年に亡くなっているのだが、彼の残した功績、影響力は計り知れない。彼のオーケストラのリーダーであり、作曲家、ピアニストとして多くの仕事をしてきている。作曲は1000曲以上という膨大な数である。 彼のテーマ曲である『A列車で行こう』はあまりにも有名だ。しかしこれ、けっこう難曲なのでサックスでちょっと気軽にというわけにもいかない。だいたいデューク・エリントンの曲は音的にむずかしいものが多い。オーケストラがかもし出すサウンドも、そう簡単に出るものではないだろう。おそらく一人々が持っているサウンドの妙なのかもしれない。
デューク・エリントン・オーケストラに所属するメンバーには有名人が多い。サックスに限って言えば、アルトサックスの御大ジョニー・ホッジス、テナーサックスはポール・ゴンザルヴェス、バリトンサックスのハリー・カーネイ。 ジョニー・ホッジスが放つ色艶抜群の甘い音色は、多くの聴衆を魅了してきた。彼のファーストアルトは楽団の顔といってもいいかもしれない。それぐらい個性があり、また風格がある。
テナーサックスのポール・ゴンザルヴェスもまた、デューク・エリントン・オーケストラのサウンドになくてはならない一人だろう。なんとも表現のしようのない、うにゃうにゃしたソロは私のお気に入りでもある。誰が聴いても彼とわかる独特のフレーズは誰も真似はしない。キーが外れているのか、はまっているのかもわからない音のとり方は、おそらくジャズの理論からいったら邪道かもしれない。まあ、そんなことはどうでもよいことなのである。どうやって規制概念から脱出するかが音楽のおもしろいところでもあるからだ。 ポール・ゴンザルヴェスのビデオ映像を見ると、背丈は低いようだ。テナーサックスが大きく見えてしまう。右肩を引き上げて、眉間にしわをよせながら全魂の思いで吹く姿は、聴く者を引き込んでいく。
1960年代の録音であり、音は決して良いとはいえないが、私の部屋に置いている友人からもらったいわゆるステレオといわれる機材にはちょうどいいかもしれない。CDプレーヤーは、たしか妻がなにかの粗品か景品としてもらったものだ。
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