中林淳眞先生とご子息の中林仲哉先生のコンサートが、「夢二郷土美術館」で開催された。
「夢二郷土美術館」は竹久夢二の作品を展示したこじんまりとした美術館であるが、旭川をはさんで後楽園と向かいあい風光明媚な場所に位置している。 作品はほとんどが掛け軸になったものだが、色紙などに描かれた小品もある。まあ、後楽園を訪れた観光客が足を止めるにはちょうどいい作品の量かもしれない。こういうのは重たすぎても疲れるだけでよくないのだから。
先生のコンサートは毎年開催されているようだが、今回はじめて行った。平日ということもあって、お客はご婦人、ご年配の方が中心であった。NHKをはじめ数社のテレビ局が取材に来ていたが、放映は一瞬なんだろう。 じつは恵さんがテレビを見ていて、電話をくれたのだが・・・。時すでに遅し。
じつはこのコンサート、先生から「ぜひ仲哉の演奏を聴いておいたほうがいいよ。」とすすめられていたのだ。
第一部は淳眞先生のオリジナルを5曲。続いて二重奏として日本の曲を演奏。これには竹久夢二にちなんだ曲も入った。『宵待草』など。 第二部は仲哉先生のステージだ。じつははじめて演奏を聴くので興味深々であった。予想にたがわず高度な演奏を披露してくれた。速いパッセージなんかも正確無比で、聴衆を惹きつける演奏であった。最後に演奏した『アルハンブラの思い出』はトレモロの粒がピタッと揃っていたので、おお、これこれとうなってしまった。
このお二人、とても対照的な演奏スタイルだ。淳眞先生は音が太く、とにかく遠くまで届くし、演奏技術というよりも音楽そのものを前面に打ち出していく感じである。少々ノイズが出ようがおかまいなしで、長年の音楽生活(それもギターだけに限らず多岐にわたる作曲も含めた)からにじみ出る風格で聴くものを圧倒させる雰囲気がある。
それに比べ、仲哉先生はとても繊細である。音がとても柔らかいし、運指、タッチにも神経を使っておられる。チューニングひとつとっても完璧になるまで気を抜かない。 全神経を集中しているのがよくわかる。 こういう演奏を目指したいものである。
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