古本屋で雑誌を購入した。
科学雑誌『ニュートン』を創刊号から20年分である。のはずだったが、15年分しかなかった。ちょっと考えていた間に、新しいもの5年分を買われてしまっていたのだ。この一週間が悔やまれる。
じつはこの雑誌、先週、古本屋に妻と娘といっしょに行ったとき、店頭にあったのを確認していた。しかし妻に制止させられた。いいかげんにしなさいと。
科学雑誌という性格上、あまり古いものは情報としての価値はなくなっている。この本で気に入っているのは、全編にわたる詳細なイラストと写真である。どちらかというと資料としてではなく、ある種の芸術品として保有したいという衝動にかられたのである。それに創刊号からというのがいいではないか。途中からではあまり意味がない。いわゆる<こだわり>である。 この雑誌と似たもので、同じく科学系の『クォーク』というのがある。これも豊富なイラストで楽しませてくれていた。昔、購読していたことがあったのだ。
はて、ではこの本をどう扱うかが問題である。毎週一冊読んでも、4、5年はゆうにかかる計算になる。けっきょくこれも老後の楽しみにとっておくことになりそうだ。
創刊号から購読しているといえば、『ナショナル・ジオグラフィック日本版』がある。この本の歴史は古い。元はアメリカの雑誌で、創刊は1888年というから驚きだ。現在は世界約180カ国、1000万人が購読しているという。 内容は、地球とそこに生きるすべての生き物の営みを、世界の一流写真家が撮った美しく迫力に富んだ写真と記事が主体になっている。
『ナショナル・ジオグラフィック』といえば思い出すものがある。小説『マジソン郡の橋』である。 この小説は、恋愛不倫をテーマにしたものだが、これを観た多くの男性諸氏は涙を流したという。あらすじはこうである。 ある片田舎の婦人が、写真撮影のため道をたずねに立ち寄った男性に恋をするというものだ。写真家の名前はロバート・キンケイド、そして女性はフランチェスカ。ふたりの恋はたった4日間というものだったが、想いは死の時まで続くのである。 マジソン郡はアメリカのアイオワ州にあるが、そこの屋根のある橋がこの小説の舞台ともなっている。
ロバート・キンケイドは「ナショナル・ジオグラフィック社」の社員で、この雑誌に掲載するための写真を撮りにマジソン郡に来たのだった。 この小説が出るや、ナショナル・ジオグラフィック社にはたくさんの問い合わせの電話が入ったという。それはロバート・キンケイドが撮った写真が載っている号数を教えてくれと。 そう、この小説は実話で、ロバート・キンケイドも実在の人物だと思っている読者が多かったのである。内緒だが私も・・・。
歴史のあるナショナル・ジオグラフィック社のえらいところは、これを受けてクリント・イーストウッド扮するロバート・キンケイドが表紙に写った特別の号を作ったりしているのだ。 まあ、アメリカはおおらかである。
そんなことはどうでもいいのだが、『ニュートン』の保管場所に悩まされる・・・。
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