昔、遊びでフルートを吹いたことがある。
学生の頃、フォークソング・グループを組んでいた。というよりもメンバーの一員だけだったが。その時、はやっていた「マイペース」というグループの『東京』という曲を文化祭で披露することになった。 さて、イントロと間奏にフルートが入っているのだが、どうするかということになった。いや、もうやるしかない。にわか仕込みで練習した。
「最終電車で 君にさよなら いつまた会えると 聞いた君の言葉が 走馬燈のように めぐりながら 僕の心に 灯を灯す 〜 東京へは もう何度も行きましたね 君の住む 美し都 東京へは もう何度も行きましたね 君が咲く 花の都」
太田裕美の『木綿のハンカチーフ』もいいが、それにもまして、この『東京』は思い出があって忘れられない。フルートのメロディーは今もってよく覚えている。 フルートを吹いたのはそれが最初で最後だ。それ以来、吹く機会もなくまた余裕もない。

クラシックの世界では、ジャン・ピエール・ランパルやジェームズ・ゴールウェイが有名だが、私はなんといってもジャズのルー・タバキンがおすすめである。 ルー・タバキンの演奏は、文字通り、息を吹き込む・命を吹き込むといった表現がぴったりだ。一瞬、尺八に聞こえたりする。全身全霊の演奏が感動を呼ぶのである。 息の音が入り、うなり、それでいてよく鳴るフルートだ。こういう演奏が好きだ。
またまた、虫が騒ぐが、思いだけでしまっておこう。
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