管理人トシの日記

2003年11月20日(木) ジャズに酔いしれて〜その2

今夜はアート・ペッパーのアルトサックスを聴いている。

アート・ペッパーはウエスト・コースト・ジャズの最高のサックス奏者で、巨人である。彼の偉大さは歌心あふれる抜群のアドリブ・ソロにあると思う。瞬間、瞬間のインスピレーションによる作曲だが、じつに名曲と思われるメロディーを繰り出してくるのである。

「CD Club」からきたこのアルバムは、アート・ペッパー全盛期に録音された4枚の代表作から選曲されている。いわゆる名演集といわれるもので、タイトルは「アート・ペッパー・ミーツ・スタンダーズ」。『ユードゥ・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』『朝日のようにさわやかに』『今宵の君は』『風と共に去りぬ』『枯葉』『オール・ザ・シングス・ユー・アー』どれも名曲であり、そして名演となっている。

録音年代はいずれも1956年から1960年である。古いといえば古いが、ジャズの名演はこの年代のものが多い。パーソネルは、ピアノ:レッド・ガーランド、ベース:ポール・チェンバース、ドラム:フィリー・ジョー・ジョーンズという蒼々たるメンバーである。アルバムによって、ピアノ:ウイントン・ケリー、テナー・サックス:ウォーン・マーシュらが入っている。

ハイテンポでは抜群にスイングするし、バラードではメロディーを切々と歌い上げる。やはり天才なのだ。しかし、天才であるがゆえの宿命か、何度も麻薬で獄中の人となっている。麻薬なしではプレッシャーに耐えられないと自伝に書かれている。バードこと「チャーリー・パーカー」も然りであった。

ジャズ界の巨人が次々と倒れていく中で、アート・ペッパーも数年前についに亡くなってしまった。じつは亡くなる数年前に、岡山でコンサートをしている。しかも年を違えて2度もである。
場所は岡山福祉会館。一応ホールはあるが、会議が主体の場所なので音響的にはどうかわからないが、小さなホールということもあって、ライブ的な感覚で聴くことができた。この時の演奏がどうだったかといわれれば、そんなことよりもアート・ペッパーを身近に生で聴くことができただけで大満足だと答えることになる。地方でこんな体験ができるなど、そうざらにはないのである。おそらく採算を度外視したマニアがいるのだろう。2回目も同じ会場だった。
その後、あまり時を経ずして亡くなってしまった。

音楽界もそうだが、芸術の分野でも偉大な人はそうざらには出てこない。自分の肌で触れ、五感で感じなければほんとうのことはわからない。
折を見つけて、できるだけ出かけていきたいものである。




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