きのう、岡山市体育館で、マーチング・バンドのフェスティバルがあった。
このマーチング・バンド・フェスだが、3日間の日程で毎年開催されている。2日間は、市中パレードと市内中心部での野外演奏。そして最後の3日目が、きのうあった、体育館でのステージ演奏だ。ここでは、審査があり、順位が発表される。本場アメリカから、審査員が何人も来ている。
昨年に引き続き、今年も世界チャンピオンである、『ブルー・デビルス』というアメリカのバンドが招待され、3日間は精力的に活動していた。このバンド、今年も11回目の世界チャンピオンを獲得したというから驚きである。まあ、なんでもそうだが、1位を維持するという努力は、並大抵ではないことはすぐに察しがつく。
じつは、岡山は、マーチング・バンドが盛んである。盛んにした人がいた、といったほうがいいかもしれない。岡山県警音楽隊の名誉隊長である故・安田正彦氏である。当時、はじめて岡山でマーチング・バンドのフェスティバルを開催した時は、まだ、全国的にも盛り上がりはそんなになかったように思う。それが、年々、規模が大きくなり、全国から、トップクラスのバンドが競って集うようになってきた。岡山市の行事としても目玉になっている。
そんな中、我が息子も出場している。パーカッション担当だ。保育園の鼓隊で、大太鼓をしたいという理由だけで、ずっと、いままでパーカッションをやらせてきた。自分でやってきたのではなく、やらせたといったほうがいいかもしれない。ほんとによかったのかどうか、いまもってわからない。しかし、これを親バカというのか、家族で出かけ、息子を見つけては、シャッターを押しつづけた。見られるのがいやなのか、カメラを向けると避ける、そしてまた追う・・・。
『ブルー・デビルス』の魅力は数多い。私自身はっきりいってそんなにマーチング・バンドに興味があるわけではない。しかし、好き嫌いではなく、本物に接すると誰でも感動をおぼえるものだ。演奏そのものは言うにおよばないが、今回ちょっと感動したのは、そのサービス精神あふれるパフォーマンスなのである。
ちょっと話しが専門的になるが、マーチング・バンドが使用している金管楽器は、音の指向性が強い。要するに、ラッパのベルが向いた方向にしか音が飛ばないのである。ラッパの横にいたのでは音が聴こえにくい。そのうえ、パーカッションは指向性がないので、ガンガンきこえてくる。カンカンと響くパーカッションと、モソモソと何を吹いているかわからないブラス。ああ、なんというアンバランスな世界なのだろう。マーチング・バンドは半分スポーツのようなものなので、演奏場所は今回のように体育館が多い。

図のように観客席は四方にある。正面の席はほんのわずかで、全席の10分の1くらいかもしれない。しかしである。演奏はすべて正面の客席を目指してしかされない。これには、はっきりした理由があるのだ。そう、審査員席に向けての演奏なのである。いわゆるロイヤルボックス席だ。観客でない。演技もそうである。 前から思っていたのだが、どうにかしてくれないかなと。 今回も当然ながら、横の席のそれも立ち見か、階段のコンクリートにすわるかのどちらかだった。正面席には、一般の人は入れないようにロープまで張り巡らせている。
いや、前置きが長くなってしまったが、ここで、『ブルー・デビルス』がサービスをやってくれた。演奏が終わるやいなや、全員がこちらのほうに向かってやってきた。きれいに整列すると、1曲演奏をしてくれたのだ。そして深々と一礼すると、反対に向かって移動して、向こう側の客席にまた演奏をプレゼントした。これで、沸きにわいた。そりゃあ、ほとんどのお客さんは、横側にいるのだから。 これって、横向きに演奏してもいいようなものなんだけど、どうして、カニ歩きのようなことまでして、正面に向ける必要があるのかわからない。審査員は、うまい下手はどんなことをしても、ききわける能力は持っていると思うのだが・・・。 こういう話しになると、吹奏楽のコンクールにも言及しなければいけなくまっってしまう。これは、別の機会にすることにしよう。



ふー、それにしても体調がいまひとつすぐれない。滋賀県のMさんの忠告をきくことにしようか・・・。
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