| 2003年10月07日(火) |
ジャズ・イン・クラシック |
ソニーのCD・Clubの冊子を見ていたら、ジャズ・ベースのロン・カーターがバッハをやっている。
例の無伴奏チェロ組曲であるが、はたしてどんな音楽になっているのだろう。チェロの低音版なのか、それともお得意のハイ・ノートを駆使した技巧的な演奏なのか。はたと思った。ジャズ・ベースは、基本的にはピチカート奏法なので、ひょっとしてこの演奏もそうなっているのかも。そうだとしたらとても興味をそそられる。 ピッコロ・ベースなんかも弾くので、そうなったら逆に興味半減となってしまう。チェロとベースの中間どころといったものだから。
そういえば学生時代に、ロン・カーターの演奏会に行ったことがある。この時の印象は、アドリブ・ソロをがんがんやっていて、どうもベースという感じがしないので、期待外れでちょっとがっかりした記憶がある。やはりベースという楽器、低音がよく響く演奏が好きだ。
ジャズ奏者がクラシックを取り上げるのはよくあることで、ピアノのジャック・ルーシェの演奏も軽快ですばらしい。手元にあるCDでは、トッカータとフーガ・ニ短調からはじまって、G線上のアリアと続く。馴染みのある曲がどんどん出てくるので、BGMとしてもピッタリかもしれない。本来のお堅い演奏もいいが、こういうふうにデフォルメしてくれると、ある意味でとても聴きやすい。
もう一枚いいCDがある。ピアノのマッコイ・タイナーのものであるが、ここでは、テナー・サックスのジョシュア・レッドマンが入っている。ジョシュア・レッドマンは新進気鋭の若手プレイヤーであるが、テクニックも音楽性も高い。彼の演奏がとてもいいので、お気に入りの一枚になっている。ショパン、ヴェートーヴェンを、かなりジャズよりで演奏している。
しかしどうなんだろう。ジャズ奏者がクラシックをやることは多いが、反対にクラシックの演奏家がジャズをやることがあるのだろうか。ジャズではアドリブと称してむちゃくちゃにやっているように聞こえるが、みなさん、テクニックとしては相当なもののようだ。おそらくこれは、音楽に対する取り組み方の違いからだろうと思うが、どちらかというと、堅苦しいものよりは、楽しく聴けるほうがいい。
クラシックを聴くと、すぐに眠たくなってしまうが、それだけ心地よいということなのかな・・・。
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