岡山音楽祭が今年も始まる。
きのう、K・恵さんと話をしていたら、毎年恒例の街角コンサートのお誘いを受けた。いや見るのではなく参加するほうだが、某市民バンドに属している彼女は、サックス担当だが、サックスメンバー不足に悩んでいる。一度アルト・サックスを吹いたことがあるが、今年はバリトン・サックスのポストが空いている。
駅前の商店街が主体になって催しているようだが、なかなか元気にやっている。実はここの町内会長さんは、吹奏楽がお好きなようで、1曲は指揮を執る。これが盛り上がる。どういうわけか、市長も顔を出して、私にもと言って、1曲振る。センスはこちらの方が上か・・・。
曲は、ポピュラー、歌謡曲が主体なので、まあ大丈夫だろう。1回は練習に参加しなくては。 そうしてみれば、コンクールの曲はむずかしい。何ヶ月もかけてやっと吹ける状態だ。歌謡曲を甘く見てはいけないのだが、譜面づらはやさしい。 ひさびさにバリトンを吹いてみるか。1本だが、バンドの音が変わる。それくらい影響がある楽器なのだ。バーバー作曲の「」を思い出した。
そういえば、7年ほど前に、岡山音楽祭で、ジャズ・クラリネットの北村英治、クラシックの村井祐児、そしてジャズ・クラリネットの大御所ジョン・デンマンのジョイント・コンサートがシンフォニー・ホールであり、出かけた。

 ステージの進行だが、ジャズとクラシックをお互いが先生、生徒になって教え合うという流れがあった。この時、印象に残っているのは、音の質がまったく違っていたことだ。
餅は餅屋のとおり、ジャンルが違えば、生徒は汗をかきかき、あわてふためいていたことがおもしろくよみがえる。クラシックでは、ジャズのテンポ、ノリにはついていけない。 反対に北村英治に、クラシックの澄んだ音色はとうてい無理だろう。しかし、手元には、北村英治の無伴奏で録音したCDがある。 クラシックも、かなり勉強されているようだ。
この時のジョイント・コンサートは、岡山ゆかりの内田百間にちなんで、御馳走帖ならぬ、音楽御馳走帖と題して、盛りだくさんの音楽が飛び出した。 サイドメンのピアノ・塚原小太郎のバックアップも切れがよく、ノリに乗っていた。ジョン・デンマンはジャズ・クラリネットのバディー・デフランコと並び称される人物だが、音色はやはり、ジャズ系の明るいものだった。
じつは、翌日にクリニックが行なわれた。女子学生が多かったが、楽器を持ってきたのはわずかだった。そういう私も持っては行かなかったが。 北村英治が、ちょっとお小言。「クラリネットは小さいんだから、どこへ行くにも持っておかなくちゃ。ぼくは、釣りに行く時も持っていくよ。」 わたしは、お金を払って来たのだからと、ちょっと質問した。あの「ラプソディー・イン・ブルー」の”ウィーン”というグリッサンドのかけ方をたずねた。 氏いわく、「ぼくは、あまりじょうずではないので、低音は指でやって、途中からのどでやるんだよ。」と言って、実際にやってみせてくれた。 まあ、なんでもよかったんだけど、北村英治氏と話しをしてみたかっただけなんだ。
それにしても、街角は、いつも夕立が心配される。まあ、打ち上げを楽しみに出かけてみるか・・・。
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