入稿日をクリアして、長かった9月も終わりを告げた。
本当に裏目裏目の毎日が続いて、 すべての余裕を使い切ってしまった。
だから今日は休みにした。 雨の降る一日を、何をするわけでもなく。
朝方に近くの川沿いまで出てみて、 振り返って景色を眺めてみたら、 知らない街がそこにあった。
つい先日まで、その川べりを何度も歩いていたのに、 まるで知らない風景がそこにあった。
締め付けられた精神から視野が狭窄して、 思考停止におちいって、 同じことばかりぐるぐるぐると考えて、 自分のたっている場所があまりにも無惨に思えていた。
すべてのしがらみとか、役割とか、そういったものを すべて捨ててしまって、自分の殻にこもってしまって、 もうこれから先の時間を捨ててしまおうと思っていた。
けれど、あえて立ち止まってみれば、 まだ世界のすべてから拒絶されたわけではないと、 そう感じることができた。
見えた風景は、ただそこにあるいつもの川べり。 8月には、そこで花火をして過ごした場所。 その記憶はもう記号になってしまって、 思い出すこともできない。
時間を取りこぼす存在であっても、 変わらない景色に身をゆだねることはできる。 それが記号ではない記憶になる。おそらくは。
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