2008年09月02日(火)
人前で話してはならない


 新公卒業おめでとうございます(私が)(お前がか!)。



 ってむっさん大真くんの時もゆってたじゃん!(笑)

 弁解ではないですが、改めて思ったのは私、新公が観たい訳じゃないんですよね。
 たまたま「私がみたいものをみせてくれる人」が新公学年だったという。多分私、タカラヅカに育てゲーの面は求めていないんじゃないかと。麻尋しゅんの新公が見たいんじゃなくて、麻尋しゅんが見たい。そういえば大真くんの時も同じ文脈で「出番が少ない役なのに新公観にいく価値があるのか?(ぶっちゃけるなぁ)いやでも本公演と違うお芝居をする大真くんが見たいわけで」と思っていたのをまんまと思い出しました。


 そんな前段を踏まえて、新公語りというかうっとおしいぐらいに麻尋語りです。





 ※世間とは全然違う感想ですよ。





[星組メモ:新公から始まる麻尋語り]

 実に、実に麻尋らしい新公だったなぁと思いました。良くも悪くもぐちゃぐちゃでした。出来が悪いのとはまた違うあのぐちゃぐちゃ感、がむしゃら感。なんだかチェーン外れた自転車で全力疾走しているみたいでした。いつ転ぶのか気が気じゃなかった(でも最後まで駆け抜けたけどな)(笑)。 正直、そのぐちゃぐちゃ感がむしゃら感に、私は最後までつかみどころなく終わってしまったんですね。なんだか麻尋のショーヴランがものすごく多種多様すぎて、最後までつかめないまま終わった。だから私はどっちかって言うと「ナシ」だと思ったんですね。でも終演後にさーやさんと答え合わせ(笑)をしたら、まるきり真逆の感想で「いい”新公”だったよ」と。あ、とそこで気づいたのは前段で言った「麻尋の新公が観たいわけじゃない」って事だったのかなぁと(この辺も新公専科だった大真くんに寄せていた過剰なドリームと重なってほんとイヤになる)(笑)。
 意外な事に私は歌がダメだと思ったんですね。これも歌えていない、というよりは歌が全然コントロールできてなかったように見えたんです。何そのジェットコースター感。逆に芝居の方は落ち着いて見えたから、歌に振り回されているように見えたなぁ。歌を一番の武器としていた麻尋なのになぁ……と驚きました。

 ところでベニーの話なのですが、彼は彼でトウコさんとは違う方向でサー・パーシーを作ってきてて興味深かったです。麻尋中心撮りなので、その辺上手く言語化できないのですが、好感触。で、彼も麻尋とは違う方向にめいっぱい力いっぱいだった。そしてアヲノが女優でした。女優で女優で、ほんと女優でした(うっとり)。が、そんな感じにそれぞれが健闘しているのにも関わらず、その三人の掲載誌がばらばらでした。かみ合ってなくはないんですが、全員絵柄が違うように見えたんですよね(笑)。
 それで、本公演で感じたことにも繋がるんですが、今回の新公ならなおさら思い切ってコメディ調にしちゃえばいいのになぁと思いました。と言うのも、終盤の麻尋ショーヴランの「しまった何故気づかなかったんだ!」とか、紅パーシーとのやりとりの部分とか、ショーヴランが間抜けに見える部分が、きっちり笑えそうな方向で面白かったんですよね(私は)(これはベニーのグラパンが予測不可能な方向に突出していたもの大きいかな)。私、本公演でこの辺のショーヴランに「ここで笑っていいの?」ってちょっと戸惑っちゃってた口なんで。実際、麻尋のショーヴランは麻尋らしい味付けでとことん真っ黒に作りこんでいたので、逆にそういうコメディ調な部分が浮くんじゃないかと思ってたんですが、そうでもなかった。意外に「真剣にやればやるほど面白い」って方向にいけたんじゃないかなと。同じ文脈で紅パーシーも、アヲノマルグリットもものすごく「真剣にやればやるほど」だったので、そういう意味で、コメディ調にしちゃばよかったんじゃないかな、と思った次第です(但しこれは新公だから通じる文脈です。一回限りのあのメンバーでの新公であのむちゃくちゃなパワーでやれるからこそ、そういう方向もありだったんじゃないかなぁと)。それですっきり笑い飛ばしてしまえ、と。

 終始そんな事を考えていたので(ウザい)、私的には幕が降りてもちょっとすっきりしなかったんですね。でもその辺のもやもやは、麻尋の舞台挨拶(というか舞台挨拶全般での麻尋)にぶっとびました。もうほんとびっくりするぐらい、すがすがしい顔をしていて。挨拶もしっかりしていて。
 そしてその舞台上にいろんな麻尋がいたな、と思いました。新公を終えて感無量な顔つき、二階席を見上げてお客さんへの感謝の顔つき、長の期としての責任感を果たした顔つき、そして吉兆のおかみな顔つき(最後の余計だよ!)(いやでも口パクでゆっててかわいかったよ)。ぐちゃぐちゃな麻尋は麻尋なりにやり遂げたんだな、と。というかここに「新公」を観に来ていない私が間違っているんだなぁと、ちょと反省した次第です(ちょっと?)(いやだってこれが私のスタイルなもので……)(うっとおしい)。


 それでもやっぱり麻尋が「私がみたいものをみせてくれる人」であることは再確認してきました。
 新公卒業おめでとう。



 と、きれいに締めくくるか!(全然きれいじゃないよ!)と帰り道に考えてきたのですが、どうもじわじわと新公で見た麻尋のあれやこれがじわじわきています。ほんとうに、胸が詰まりそうな気分で、脳内再生しています。……そうか「私がみたいものをみせてくれる人」なんて、賢しらな理由じゃなくて、単に私が麻尋を見たいんだな「私がみたいものをみせてくれる人」のすべてが、私が見たいものなんだな、だからこんなにもじわじわくるんだ。麻尋のショーヴランはぐちゃぐちゃだと思っていたけれど、その一つ一つが、私が見たいものなんだなぁと……。今も、ものすごく、心に残っています。




 新公感想というか、単に私が麻尋にぐるぐるしてきただけ、って話です。


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