| 2006年10月30日(月) | ||
| エグゼクティブ萌え(新作カテゴリ) | ||
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[速達伝書鳩返し] ぎゃ! ごめんなさいごめんなさいうっかり抜け落ちてました追記しました「星組85期オールスターズ」。……こゆのはほんと失礼極まりないですよね、ほんとごめんなさい。わかっていただけている通り、決して他意はないのですよ、彼のことは今後ともすごく楽しみなのです、です。 >本日の涼さんのお茶会でもしや擦れ違っていたかも……とわくわくしつつ、ご報告お待ちしています。 今回は茶会報告はパスするつもりでのんびりのんきにうっとりしてきました。こちらも合わせてごめんなさいです。一言で言えば「今日も涼紫央さんは素敵でした」(まんまですやん)。 しかし涼紫央さんはいい、タカラジェンヌとしても男役としてもキャラクターとしても私の想い(と妄想)を全てうけとめてくれちゃっているからすごいなぁと(笑)。 じゃあ代わりのものを提出します。どぞ。 [愛するには短すぎる劇場] 『船窓』 「こう見えても、鋭いんだよ」 「……え?」 まあるい船窓から、船室のベッドの上におちたまあるい明かりの中で、オコーナーが突然そう言った。 一瞬、身構えた。まさか、この計画がバレたのだろうか?女好きのブロードウェーのプロデューサーに「色仕掛け」で迫り主役の座を手に入れる、彼のこの計画が。 驚きをつとめて出さないようにした。けれどもオコーナーはわかっているよという顔で、私の顔を覗き込む。 「誰か、他のひとのことを、考えているね」 「……え?」 「わかるよ。好きこそものの上手なれ、って言うのかな?俺は女の人が好きだからね、こうしている君が、俺のことを考えていないことも、誰かのことを考えているのも、わかる」 そういうことか。安心すると同時に、しかしその「誤解」はすぐに解かなくてはならなかった。これは計画なのだから、オコーナーに私は惚れていることにしなくてはならないのだから。けれどもオコーナーは更にこう言った。 「別にいいよ。そういうのもキライじゃない」 「……え?」 「そうやって君の頭は誰かのことでいっぱいでも、君の身体は俺のことででいっぱいになるのだから」 単に女好きいうことか。その言葉にはこれは遊びでもあるのだから、という色合いもあった。本当に、この道に関してだけは鋭い、のだろう。 けれどもやっぱりそれは「誤解」だと思った。今、私は別に誰か他のひとのことを考えていたわけではないのだから。それがこの男の好みなら、そう演じてもいけれど、ただでさえ「オコーナーに惚れているバカな女優」演じているのだから、それ以上は演じたくはない。 謝ろうとしたら、唇をふさがれた。 「別にいいよ。その代わり、教えて?そのひとは、どんな風に君に抱くの?」 まあるい明かりの中で、オコーナーの唇がいやらしく笑った。 「教えてくれたら、そう、抱いてあげるよ」 ……悪趣味、 「君は、そのひとにどんな風に抱かれるの?」 ……悪趣味、そう罵るよりも、私は考え込んでしまった。『そのひと』は誰だろうか? オコーナーの手が、私の肩をすべる。 『そのひと』は誰だろうか? オコーナーの指が私の唇をなぞる。 『そのひと』…… 「そのひとは、どんなふうにキスをするの?」 『そのひと』は……わからない。『そのひと』が誰なのか? きっと私はバカだから、わからないのだ。 きっと私はバカだから。 バカだから、彼にキスをねだる。そうしてキスの中に彼の私への気持ちをつかまえて、それでようやく安心する。ほんとうはわかっているのに、彼の何もかも、そのそっけない態度もきついお説教も窘めるような眼差しも、「この作戦」も全て私への想いなのに。 私はバカだから、それに気付かない。『そのひと』が誰なのか、わかっているのに気付かないのだ。 私は言った。 「ごめんなさい、あなたの言うように他のひとのことを考えていたわ」 オコーナーが笑った。私は続けた。 「私以外に、あなたにこうして抱かれた『そのひと』は誰なのかなって思って」 下手な嘘、だろうか? 「可愛いね、妬いてくれるんだ」 オコーナーは乗ってくれた。気付いているのか気付いていないのかはわからない。 「ええ、妬けちゃうわ」 唇をとがらせてみる。 「だから、」 私はオコーナーの首に腕を回して、引き寄せた。 「忘れさせて……忘れるぐらい、」 「……いいよ」 私はバカだから、気付かないの。 気付かないことにも気付かないの。 だから 「ごめんなさい」 「いいよ、もう、謝らなくて。君は今、俺のことだけを考えているんだろう?」 「ええ」 まあるい船窓から、船室のベッドの上におちたまあるい明かりの中で、『そのひと』ではないひとに私は抱かれる。 ++++++++++ ゆなひこ君ちの『船窓』と合わせてお楽しみください(昨日の観劇でまんまとゆなひこくんちのソレを脳内上映してしまって、そのままパート2がはじまっちゃったらしいよ?)(君は贔屓の退団公演でも金平糖釜が止まらないようだね)(大真のおじさま口調)。 |
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