2006年04月23日(日)
原本をお送りください


 ACROSSの途中ですが(臨時ニュース口調)、先に雪組東宝の話をしたいと思います。
 しかし昨日西で観たアレも今日東で観たコレも同じ宝塚なのだなぁと思うと、阪急電鉄歌劇事業部ってすごいなって思います(いや昨日西にいて今日東にいる自分もすごいのか?)(笑)


[雪組ベルばらメモ]

・カッさんのアンドレの出来具合にひれ伏しました。いい、あのアンドレはいい(一言で片付けるのか)。映像見て「おお!」とは思っていたんですけれど、実物見たら、想像以上に「アンドレ」でした。カッさんのニンはどうかんがえてもジェローデルだと思っていただけに、すごい嬉しい誤算というか。カッさんの包容力というか大きさというかあったかさというか遺憾なく発揮されたなぁと。
 カッさんがアンドレじゃないって思ったのは、当然のように「カッさんは貴族だから」の一言につきます(真顔)。で、カシドレはやっぱりどこか「高貴」だったと思うんです。そうすると「アンドレは平民だからオスカルとの間に隔たりがある」という文脈が成り立たなくなるんですが、カッさんのアンドレは相手があのコムカルだからこそ、隔たりができているというか。なんというか「あんなに素晴らしい人に自分なんて」という感じ?でも卑屈にはならないんですよね。相手のスケールが違いすぎるというか。恋は盲目、そして崇拝。だってカシドレの脳内にはあのペガサスに乗ったコムカルがいるんだよ?あんたどんだけドリーム抱いているんだ!って思ったんですが?そんなカシドレが毒殺に走る程に思い入れるのも納得できるというか。毒殺に失敗して「許してくれ」っていうのがやっぱり卑屈ではなかった。それがよかったなぁと(ごめんなさい、上手く言えてないや)。

・つい先日まで愛の巡礼としてゆらめきまくっていたトウコオスカルを見ていただけに、コムカルは全く別のオスカルでした。本当にこの人「迷いが無い」(笑)。確固としたその生き様、主張、すごい説得力。脚本的には雪組版の方がよっぽどツッコめるというか破綻していると思うのですが(主観)、それが気にならないぐらい、それすらコムカルのキモの座り具合で消化されているなぁと思いました。
 トウコオスカルがバスティーユに向けて女になっていったのに対して、コムカルは人間オスカルとして一貫していました。最初から男女は超えているというか。そんなコムカルのバスティーユでの爆発はもはや神でしかなかったと思います。正に軍神マルスの子。あのコムカルの爆発振りに私の脳内に浮かんだのは、コレとか、コレです(どういう連想だ)。(追記:リンク貼るの忘れてましたー!指摘多謝)
 でもそんなコムカルがバスティーユで死んだ後、歌いながら銀橋を渡る様にぐっときました。バスティーユで神になったコムカル。けれどもその命が終わった後に残ったのはまるで子供のような素の姿だった。カシドレを思って歌うあの様が、小さな子供が自分を守ってくれる者を求めているような「どこ?どこなの?」という風情で、たまらなかったです。同じ曲の歌詞の違うやつを冒頭の方で「人間・オスカル」として高らかに揺らぎなく迷いなく謳いあげていたのと全く対象的で。その子供のようなコムカルを迎えるカシドレのおっきさときたら!雪組さんの前作を見たときに「あの貴城けいを従える朝海ひかるはスゴい」と気付いたのですが、今回は「あの朝海ひかるを包み込んだ貴城けいはスゴい」と思いました。その相乗効果というか、互いが互いを内包というか食い合っているというか、それがありえないくらいにスゴイ、ほんと雪組は人外魔境(真剣)。

・どうせやるならもっと徹底して「オスカル×ロザリー」にしちゃえばよかったのに!と臍を噛んでおります。というか私はロザリーがちょう心配。なんだか上手くオスカルに言いくるめられて変な勘違いしていないかちょう心配。なんか「私とオスカル様は精神的に結ばれているの、うふふ」って言い出しそうな。本当に「愛の色は何色」って、意味がわからないー!そのうち子供が出来た暁には「これはオスカル様の子供です」とか言い出しそうで怖い(真顔)。マイカゼが可憐で健気でカワイイだけに(すべては脚本のせい)、おねーさんは心配だ……。

・しかし一番怖かったのは壮一帆さんです。怖い、ほんと怖い(号泣)。ベルばら効果で壮一帆さんからほろ酔いテイストが抜けたら、すごい鬼畜度があがってびっくり。いやそれ君が願っていたことじゃないか?つうか君はねっ担にしてMっコなんだから嬉しいんだろ?と言われそうですが、ちがう、私が求めていたのはこんなんじゃない(涙)。MにだってSを選ぶ権利はあるんだー!(ないよ)鬼畜というか、ヒドいというか、ホント腹の底が見えなくて、ホント怖かった……。一番怖かったのが、パレードです。嘘でしょ?アナタそんなシャンシャン持っているようなキャラじゃないでしょ?例えるならヤクザがバービー人形相手に話しかけているような怖さ(その例えはどうかと)(笑)。あのシャンシャンの光っているところから何か飛び出すんじゃないかと思うほどに!メイクのアイラインも効きすぎて怖い。思わず見ながら息止めていたんだよね(笑)。慌てて隣りのカッさんを見てほっとするという始末。まさか壮一帆(ヘタレ)で怯え、貴城けい(野獣)で癒す日が来るとは思っていませんでした……。いや最初はけっこう笑ってみていたんですけれどね(笑)。途中からもー怖くて怖くて。という訳で、今回はちゃんと見れていない気がします(いや、見ていたんだろこれだけしゃべるんだから)。
 次に見に行く時はもう間抜けな衛兵隊士なので、なんでこんなに怖かったのか検証することは叶わないのですが、何にせよ壮一帆さんは面白いですよ、ほんとわからない、あの人はわからない。でもそういうところが大好きだ。

・雪組版ベルばらは「女の物語」色が強かったと思います。特にあの子守唄の場面。美穂圭子お姉さまが歌って、しなぼんが歌って……っていう繋がりがちゃんとあの「唐突な子守唄」を意味あるものにしていたというか。貴族も平民もない、男も女もない、我々は皆「母」から生まれた同じ命なのだから、という感じです。これが星組2001版の時は「母」をフランスに例え母国愛に持っていっていて、それはそれでアリだとは思いましたが、今回の方がしっくりと来ます。で、↑で言ったようにコムカルが最後に子供のようなあどけない姿を見せたことも合わせて、「母」という存在が雪組版で妙に強く感じられるのです。これはもうちょっと考えてみます。

・ペガサスに爆笑した話は言わなくてもわかると思うので割愛します(笑)。




 おかげさまで、ACROSSの曲が全部判明しました。ありがとうございます。誤字指摘もありがとうございます。
 ACROSSの話はもうちょっと続けます(いや続けるも何もそんなに(当社比)話してないだろ?)


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