2006年04月03日(月)
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 震粘度(誤変換)が始まりましたね(なんか新年度早々、どんよりしてきたらしいよ?)(笑)。
 そんなこんなで仕事してきて、本日も移動日(しかも往復)で、珍しく(そう、最近は珍しいのです)残業してきたら、昨日あんなに「話さなくちゃ!」と思っていたイキオイがごっそり削げ落ちました。あー、そんなもんなのかもしれないなぁ。というかその日の内にしゃべらない方がいいんじゃないか?と思った次第(うなだれ)。


[大真当番日誌:追記]

 昨日取りこぼしたボールはほとんどちゃらさんが拾ってくれていた模様です(そそくさとご相伴)。伊達に同じポジション争っていませんよ!(笑)俺、もう三年生だから、夏の甲子園はお前にまかせるよ!(いや三年生って言っても小学三年生だから引退とか受験とか関係ないから!)(笑)

 で、こんなご報告をいただきました。

>千秋楽の農民のシーン、
>みらん君が、小公子のような
>内巻き前髪をつけていました…
>色も小公子色でした。
>(前髪だけ色が違うーっ!)(大興奮しました)

 ああ!もう!「おおいにおやり!」(爆笑)
 ギャッツビーもちゃんと通じますよー。ありがとうございました(伝書鳩返し)。






 予防線になってませんが、いきます。














[ベルサイユのSSその2]


 ―白夜が明ければ花盛り
  この花誰にあげるのか

 祖国より北に位置するこの国にも春はくるのか。
 考えてみれば当たり前のことなのにそれに驚いた。スウェーデンは春の盛り、人々は花祭りに軽やかに踊っていた。その華やかさに、一瞬、祖国の惨状がまるで夢のように思えた。


 フランス革命が正に幕をあけようとしていた、あの夏の日の朝。隊長がパリに進軍するというあの夏の日の朝、私は耐え切れずに馬を駆けさせた。ジャルジェ邸からほど近い森で朝露を浴びて、はっと我に帰った。私は何をしているのだろうか? ここは、隊長がよく馬を駆っていた場所だ。私はここに何度も足を運んだ。隊長を探しに、隊長を呼びに。何度もここで「申し上げます」と報告をした。そして時には近しく言葉を交わした。他愛のない会話をしながら、近衛隊長の立場ではなく隊長自身が何を思っているのかを語ってくれた。それは、もしかしたら傍らに常にいた彼に語っていた言葉であったのかもしれない。けれども私はその言葉が聞けるのが嬉しかった。
 私は隊長が待っているとでも思っていたのだろうか。馬鹿な、そうひとりごちてその場所を去ろうとしたら、そこに隊長が白馬に乗っていた。
「やあ」
 笑った。来ると思っていたから、待っていた。そう、隊長は言った。
 しばらくは馬首を並べて馬を歩かせた。隊長は何故待っていたのだろうか?それを聞くには何故自分が来たのかを伝えなくてはならない。それがわからないから、聞けなかった。
 いくつかの他愛ない言葉が交わされ、それが途切れた。まぶしそうに生まれたばかりの木漏れ日を見上げる隊長に、はっとした。
 この人は、もう自分の知っている隊長ではない。
 何故自分はここに来たのか。この美しき人をいたずらに死に走らせないためにきたのだ。パリへ行くのはおやめください、そう言うつもりだった。いや、力ずくでも止めるつもりだった。この人を戦場へみすみす送り出すことはできない。数奇な運命にゆらめき、誰よりも強くて誰よりも弱い、頼りになる上司でありながら、守らずにはいられない子供のような、そんな風にゆらいでいるこの人を、混乱の渦の中から救いたい。
 けれども、今、目の前にいる人は少しのゆらぎもなかった。静謐な水面を湛える湖のような眼差しで、静かにそこに立っていた。それは私の知らない人だった、私の知らない「女」だった。
 もはや、何も言う事はなかった。
 隊長はよく冗談を言って私を困らせた。この日もやはり冗談をいう。
「君も一緒にいくか?」
 私はいつもそんな冗談に「隊長!」と色をなしたり、慌てたりしたのだけれど、けれどもその言葉の意味を隊長も自分もわかりすぎるぐらいにわかっていたから、だからそれを笑うことができた。もちろん、隊長も笑った。わかっているのだ、隊長が民衆に味方をして革命に投じてゆくのも、わかっているのだ、私は貴族だから革命を受け止める立場にいることも。
 隊長は言った。
「王妃様を……国王様を、」
 ただ、それだけが隊長の心残りなのだろう。そしてそれを受け止めるのも、私の仕事だった。最後の命令。いや最初で最後の隊長の懇願、隊長の願い。私は黙って頷いた。隊長は私の手を握った。その柔らかな感触に、一瞬だけ抱きしめたい衝動にかられたが、それはすでに過去に葬ってきた感情だ。
「ありがとう」
 その言葉の前の「今まで」という言葉は、聞こえないことにした。聞かなかった事にした。最初で最後の「反逆」だった。


 隊長の遺志を受け、私は国王ご一家の為に奔走した。そして今、最後の望みをかけて、フェルゼン伯に救いを求めるために、遠路はるばるこの国へ来た。
 陽射しは眩しく、花は咲き乱れ、人々はこんなに明るいのに。
 何故、私はここにいるのだろうか。いやそれははっきりとわかっている。国王ご一家の為、祖国フランスのため、何よりも隊長の遺志が私の手の中にある。それなのに、何故そんな事を思うのか。
「旅の人、どうぞ」
 私の周りを笑いながら走り抜けていった、民族衣装をまとった祭りの人々。その中のひとりが、私に花を差し出した。
「春はもうきていますよ」
 ふと、その花と同じ花が咲き乱れる木が見えた。薄い紫色のその花が、鮮やかな緑に競うように咲いていた。その木の元に、やわらかな木漏れ日があった。その陽だまりに、私はどうしても彼を思い出さずにはいられなかった。そして、そこに陽だまりがあるのにそこに彼女はいないのだ。かの美しい人は、もう、いないのだ。
 ああ、そうか。
 私の想いは過去に葬られたのではない。あの夏の日の朝にあの森にいたことも、この春盛りの異国にいることも、すべて。過去に葬られた想いではないのだ。かの人が私に遺したものは、その遺志だけではなかった。
 私はその陽だまりにそっと近づいた。あたたかなやさしいひだまり。
 私はそこにはもう入り込めないけれど。
 そのひだまりに、手にしていた紫の花を手向けた。


 ―心に決めたあの人にあの人に
  胸の想いを、届けよう



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 昨日のジェローデル語りを総括するとこうなります(ええ?)。
 椎ドレバージョンでお願いします(わかりやすいたとえだな、君)。





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