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2023年04月20日(木) 言葉

吉田修一の「悪人」からどうしてももう1つ書いておきたい、私の心に残った言葉があったので書いておきます。(「しっかりせんといかんよ」房枝は小さな声でそう自分に呟いた。逃げとるだけじゃ、なんも変わらんとよ。待っとても助けは来ん。このままじゃ、配給の芋を投げられて、それでも黙って拾っとったあのころと変わりゃせん。がんばらんば。馬鹿にされてたまるもんか。がんばらんば。もう誰にも馬鹿にはさせん。馬鹿にされて、馬鹿にされてたまるもんか。)この言葉は房枝がいつも乗る無愛想で運転も荒く房枝が一番苦手なバスの運転手にかけられた言葉でした。その言葉で房枝の中に何かが生まれ変化が起きました。人の言葉には力があります。人の言葉は良くも悪くも大きな力を持っています。人を勇気づける事も出来ます。人を傷つける事も出来ます。人の言葉には、自分を変える事も、人を変える事も、世の中を変える事も出来る力があります。私にも自分を変えてくれた言葉がたくさんあります。私は優しくて激しい、激しくて優しい、そんな言葉が好きです。


kanno

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