DiaryINDEX|過去の日記|未来の日記
中村文則の「何もかも憂鬱な夜に」を読み終わりました。「何もかも憂鬱な夜に」もう題名だけで涙が出てきませんか?たぶん誰でも何もかも憂鬱な夜を過ごしたことがあるのではと思います。特に思春期には、何もかも憂鬱な夜と言うものを何度も過ごしたのではないかと思います。自分のどうにもならない想いや、何者かになりたいのだけど何者にもなれない自分や、自分の中にある力を何処に使えば良いかを見つけられない自分や、出口の見えない悩みや、いろいろな事で憂鬱な夜がたくさんあったと思います。誰にでも何もかも憂鬱な夜はある、もちろんこれからもあるかもしれない、でも生きて行こう、そう思える作品でした。この作品に、もし自分が思春期に出会えていたら、あの時もっと楽になったのになと思いました。でもこの作品は2008年の作品ですし、作者の中村文則さんは1977年生まれで私より年下なので、それは無理なんですが。本当にそう思える作品でした。すごく感動した言葉が2つあるので載せておきたいと思います。1つ目「これは、凄まじい奇跡だ。アメーバとお前を繋ぐ何億年の線、その間には、無数の生き物と人間がいる。どこかでその線が途切れていたら、何かでその連続が切れていたら、今のお前はいない。いいか。よく聞け」「現在というのは、どんな過去にも勝る。そのアメーバとお前を繋ぐ無数の生き物の連続は、その何億の線という、途方もない奇跡の連続は、いいか?全て今のお前のためだけにあった、と考えていい」2つ目「人間と、その人間の命は、別のように思うから。・・・・・殺したお前に全部責任はあるけど、そのお前の命には、責任はないと思っているから。お前の命というのは、本当は、お前とは別のものだから。・・・・・」思春期には、挫折したり、道に迷ったり、絶望したり、自分の命に意味や意義を見出せなくなる時もあるけど、自分の命は素晴らしい物で、生きているということは素晴らしい事だ。この作品を読んでそう思いました。この作品はたぶん何度も読み返すと思います。読むたびに自分がどう思うのか?とても楽しみな作品です。子供達には、本や映画や音楽や漫画にたくさん触れて欲しいと思います。別にそれを見て賢くなる必要も感性豊かになる必要もありません。ただそれを楽しめば良いと思います。じゃなきゃ、せっかく生まれて来たのにもったいないと思います。
kanno
|