名作(だと思う)『蒼穹の昴』の続編ともいえる。 ちょっと趣向が違っていて、前作は純粋に歴史の中で独自のストーリーが展開 していったが、今回は光緒帝の愛妃、珍妃がなぜ死んだのかに焦点を当てた ちょっとばかりミステリ仕立てにも見える。 それぞれの国をそのまま人物にしたような4人が、その真実を知っていそうな 人物の証言をとる形式は、外伝のイメージが強く、セリフ仕立てがあまり 好みでない自分に読めるか不安だったが、前作の勢いと少しばかりの登場 人物への知識もあって、後押ししてくれた。 ただ・・・相変わらず近代史は苦手なので、「義和団」とか出てきた時は、 どうしようかと思ったが;^^) 聞くところによると、浅田氏の作品は「泣くツボ」がある話が多いらしい。 実際「蒼穹の昴」では泣かされた。 今回は・・・・泣かなかったけれど、なんだかそれが罪悪に感じられる ような、珍妃と帝の深い愛情をひしひしと感じさせてくれた。 こういう愛のかたちもある。 でも、哀しい。凡人のワタシには、そうしか思えない。
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| 2001年10月22日(月) |
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