後悔日誌
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2001年08月11日(土) 追悼


門司港に付き合いの長い飲み屋がある。
明るいママ(といってもおばあちゃんだけど)のいる店で雰囲気が良い。
お客さんも常連ばっかりだ。

初めて行ったのは学生の頃だからもう5,6年前になるのかもしれない。
大騒ぎして散々飲んで、でもお金はほとんど払わなかった気がする。
700円とか、1000円とか。
随分助けてもらったな…。

そんな思いからお礼の手紙を書いて毎年の年賀状の交換が始まった。
また、着いたら行きますね。
年に1回、門司で飲めることが楽しみだった。

やがて就職してから1回目の門司港がやってきた。
一人前になったねと言われ、初めてちゃんとお金を払った。
あの時、なんだか自分が成長したような気がしたな…。
思い出の一杯詰まった飲み屋さんだ。

今回は2年ぶりになる。
今年は年賀状がなくどうしたのかな、なんて軽い気持ちでドアを開けた。

…カウンターの中にはママはいなかった。
まさかな、なんて思いながら腰を降ろした。
今は常連さんの一人が店を引継いで切り盛りしていた。
ママは6月にガンで亡くなったそうだ。

ショックだった。
人間、誰しもいつかは逝くものだけど。
せめてもう一度でも顔を見たかったな。
なんだか門司港の灯りがひとつ消えた気がする。

新しいマスターから色んな出来事を聞き、常連のお客さんは健在と聞いて少し安心した。
看板が残っていて、今なおお客さんが集まる店。
あの元気なおばあちゃんのお陰だろう。

…今ごろ空の上で酒を飲んでるに違いない。
ママ、今までありがとう。そしてお疲れ様。
心からご冥福をお祈りします。



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