| 2002年10月05日(土) |
はかなき蟷螂(かまきり) |

路上で見付けた蟷螂(かまきり)。 小さい癖に随分と強気なやつで、人間にすら向かってくる。 いくら両手の鎌があるといっても、ちょっとなあ、、。 とにかく怖いもの知らずの感あり。
空地か、人家の庭から飛び出してきてしまったのだろうか、 アスファルトの道を、あちらこちらに走り回っていた。
その様子が、可愛らしかったので、持っていたデジカメで、 写真を撮った。車が通行するので、なかなか落ち着いて撮れない。
被写体が小さいこともあるし。
それでもようやく、何とかして1枚撮った。それが上の写真。
そしてそれから30秒もしないうちに、 道路を一台の乗用車が通行した。運転していた人には、 何も見えなかったに違いない。
走り去った車の後には、 パンに塗られたバターのように、 ペシャンコに、身体と体液が混ざってマーガリンのように、 アスファルトの凸凹を緑色で埋めるかのように、
哀れまったいらになってしまった、可愛らしかった 蟷螂の身体であったものが。
ほんの少し前まで、そこで元気に生きていた。 ほんの少し前まで、健気に飛び跳ねていた。
1分前には、まさかこのような最期が訪れようとは 思ってもみなかった。こんなに早く。
嗚呼、死は時に予測しなかった瞬間にやってくる。 時には蟷螂(かまきり)に、時には人に。
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