| 2002年09月01日(日) |
Far beyond the moon |
涼し気な深夜。虫の音が聴こえる。 さっきまで扇風機を付けていたけれども、要らないことに 気付いて消した。
人が寝静まっても、ビルには消さない明かりがあるので 神戸の夜景はこの時間になっても、きらきらしている。 ゆっくりとしたリズムで点滅を続ける赤い光。 催眠に掛かってしまいそうだ。万が一不眠症にかかるような ことがあったら、あの光を10分も見つめていれば眠れるだろう。
だから私も眠ってしまえばいいのだけれども。 起きるでもなく眠るでもなくうつらうつらとしていたい夜もある。
昼の光が明るすぎるから。 全てが明るみの下にある時間、私の心も明示された選択を強いられる。 昼の時間の思考プロセスは、あたかもスクリプトの様に順序だって、 はっきりしている。役には立つが、どこか乾いている。
潤いを求める私の心は、夜を意識的に体験することを望んでいるのか。 調和の取れたうつろげな混沌の中に、全てが沈んで行き、また浮き上がって くるようなこの世界を。
虫の声と単調に点滅する光に身を任せ、彼方の夜空へと浮かび上がって。 あの月の向こうまでも。
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