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本当に好きでつきあうってことをしなきゃいけない
そうでないと汚れてしまうボクラ
シュンとして泣きそうに
うつむきがちに歩くボクラ
Natsuwo.G
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コウタに告白して会わなくなった後、
コウタの友達が何度か店に遊びに来てた。
しばらく時間を置いて、コウタと、友達と遊んだ時、
髪の伸びた友達が昔の彼氏にソックリで、
酷い別れ方をした人だったから、ビックリした。
何度かコウタと2人で遊んだ時も、その友達の話ばかりしていて、
コウタから、観音ちゃんに会ったって喜んでたよ、って聞いた時も、
大袈裟なくらい喜んだ。
大仏と付き合ってるコトを隠していた私は、
その友達を好きなフリをした。
で、ある日パッタリとコウタから連絡がなくなって、
コウタが地元から出ていったコトを知った。
また自分が間に入るのがイヤだった。
帰って来たコウタは、そう言った。
そして、彼女と別れたと。
恋の話は、友達としないようにしてた。
なのに、1度口を開いてしまったら、
今まで話してなかった分、
盛り上がって、楽しくて、流されやすい自分に戻ってた。
誰と一緒に居るコトが幸せか。
そうやって、自分のコトだけ考えていたのが、
冷静になれば分かるのに。
会社の呑み会で酔っ払った私は、
仲間に家まで送ってもらった帰り、
『また戻ってくる。』そう言って、
1度仲間と車を取りに帰ったナオさんを待った。
迎えに来たナオさんと夜景を見に行って、
車の中でキスをした。
そのまま眠りこんだ私を、ナオさんが家まで連れて帰ってくれた。
ただそれだけのこと。
何もなかったように職場で顔を合わせてた。
数日後、『見せたいものがある』と言って、
ナオさんが1番大好きな夜景の見える場所に連れてってくれた。
酔っ払った日の話をされて、私が笑って誤魔化していると、
ナオさんは急に真面目な顔になった。
『酔ってなくてもしてくれる?』
その帰り、ナオさんに付き合ってほしいと言われて、
私は、正直な気持ちを伝えた。
「別れてはいるけど、がんばると言ってくれた彼を待ちたい。」
『ちゃんと言ってくれてよかった。ありがとう。』
そう言って、ナオさんは笑った。
私が、"大仏を待ちたい"と思っていたコトに気付いたのは、
この時だった。
でも、大仏とは変わらず会っていたし、
別れたっていう感覚が、少し欠けてた。
コウタとは、休みの日でも殆ど会えなくなった。
大仏からの誘いを優先していたから。
それだけで、本当に好きなのは大仏だと、
気付いても良さそうなものなのに。
コウタと会うコトはやめなかった。
歯医者で親知らずを抜いた日。
コウタと約束をしていて会ったけど、
私が熱を出して、コウタの家で休ませてもらってた。
コウタのお母さんに、知らない女のコの名前で呼ばれた。
モテる人だとは思ってたから、特に気にもならなかった。
夜になって、お母さんがお粥を作ってくれて、
その頃、家でまともにご飯を食べてなかった私は、
すごく嬉しかった。
調理師の免許を取る為に、コウタが勉強しだした。
コウタの家に、よく遊びに行って、
勉強するコウタの横で、猫と遊んでた。
嫌がるコトばかりする私には、全然なついてくれなかったけど。
その夏。コウタからお祭りに誘われて、一緒に出掛けた。
目に、入ってしまうもので。
バイトをしていると思っていた大仏が、
友達と一緒に前から歩いてきた。
すぐに隠れて、大仏が行き過ぎるのを待った。
私が仕事を変えると、
その職場の2階にある店で、コウタが働き始めた。
遊びに出掛けている私とコウタを見かけた友達が、
大仏に、それを伝えたのは、その頃。
そして、職場に遊びに来た友達が、
コウタが2階で働いているコトに気付いた。
私が眠っている間に、
大仏が私の携帯のメールを見たのも、その頃。
大仏の友達からのメール。
コウタからのメール。
いろいろ保護してあった。
差出し人の分からないメールは、
全部、コウタからのメールだと思われたかもしれない。
気持ちが変わっていないフリをしたままで、
大仏が他のコと遊び始めたのは、きっとその頃からだと思う。
遊びじゃなくて、付き合ってたのか。
よくクリスマスに私と遊びに出掛けて平気だったなぁと、
気付いた時に思った。
そういえば、クリスマスイブに大仏が店まで迎えに来た時、
コウタの店の女のコたちが買い物に来て、
浮かれてる私の様子を、コウタに話したって聞いた。
『今日、約束してるんだ?』って冷やかされたって。
『俺とじゃないよ、って答えたんだけどね〜。』
そう言ってコウタは笑ってた。
安心してたのは、コウタが遊ぶタイプの男だと思っていたから。
でも、違った。
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| 2002年11月12日(火) |
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