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貝殻をひろった
貝殻がきれいだったから
それをもって帰って机の上に飾った
貝殻はずっとそこにあって
やがて私に忘れられた
そのように人をひろってきても
人はずっとそこにいないから
なかなか忘れられない
時には大いに被害をこうむったりする
泣かされない恋なら覚悟もできない
覚悟のない恋はガラスのない窓だ
Natsuwo.G
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私の職場に遊びに来るようになったコウタと、
また連絡を取るようになった。
私は、彼氏がいるコトを伝えた。
初めて職場に来た時、コウタは彼女と一緒だった。
彼女は遠くから私たちが話しているのを見ていて、
私のコトを"怖い"と言ったらしい。
何度か言われてるから慣れてるけど。
私たちが一緒に遊んでいた時から、
ずっと付き合っている彼女だと聞かされた。
あの頃、コウタに彼女がいるコトは知ってた。
でも、知らないフリをしてた。
知らないフリをして、コウタに告白したコトがある。
私と自分の友達との仲を取り持とうとしていたコウタにできる、
唯一の足掻きだった。
その後、コウタたちとは連絡を絶った。
友達はマリファナに逃げたとかなんとか聞いたような。
関わらなくて良かったと、心から思った。(酷)
地元に帰って来たばかりで仕事に就いていなかったコウタと、
休みの日に遊ぶようになった。
大学を卒業してからずっとバイト生活をしていた大仏と、
私の為に、ちゃんと仕事に就くと言ってくれたコウタを比べ始めてた。
よく職場に遊びに来ていたコウタは、
用事がなければ顔を出さない大仏よりも、
職場の仲間に知られていた。
職場の友達と話をしているうちに、
大仏に感じていた不安は、迷いに変わった。
今まで自分に言い聞かせていたコトを忘れて、
周りを見始めたのは、この時。
コウタだけじゃなかった。
入社してきた日に仲良くなったナオさん。
ナオさんが入ってから最初の呑み会に、
『まだ仲がいい人が居ないから出ない』と言ったのを、
強引に誘ったのは私だった。
別に狙ってたワケじゃなくて、
一緒に呑めば、少しでも早く会社に馴染めるかと思ったからなんだけど。
ちょっとでも席を離れると、
『いなくならないでよ。』と、
トイレにまでついて来るナオさんは可愛くて、
意識して距離を置くようにしてた。
友達に、「ナオさんとはどうなの?」そう聞かれて、
「最近話してないや。避けられてるかも。」と口走ると、
「ナオさんも同じコト言ってたよ。」って言われて、
ソコにタイミング良くナオさんが現れた。
「観音もあんたと同じコト言ってるよ。あんたっち、中学生みたいだね。」
そう言って友達はサッサと仕事に戻ってしまって、
この状態で置いてかないでくれと
泣きそうなくらい恥ずかしい気持ちになった。
自分の気持ちが、まるで見えなくなって、
初めて、どうしていいか分からなくて友達に相談した。
『少し離れて考えてみたら?』
当たり前のような結論を出して、
私は、大仏と別れるコトにした。
伝えた時、涙が止まらなかった。
好きな気持ちが無くなったわけじゃない。
でも、こんな気持ちのままで付き合っているコトが、
私自身、許せなかった。
と思ってたけど、
本当は遊びたかったのかもしれないね。
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| 2002年11月11日(月) |
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