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悲しみをかかえた
たくさんの人たちがいる
悲しい気持ちにさせた方も
悲しい気持ちになった方も
それしかなかったのだから
仕方ないよね
恋だけはどうにもならない
あの人を好きな私じゃ
なにもかもしょうがない
Natsuwo.G
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コウタは、何でも話してくれた。
元彼女が連絡してきた時も、その内容を私に全部聞かせた。
要約すると、『やろうよ』って連絡だったらしい。(←要約しすぎ)
自分と付き合ってる時に遊びまくってたコウタが、
誘いに乗ってくると思っていたんだろうと言ってた。
『誰にも邪魔されたくない』
自分が原因で私が居なくなるのは仕方ないけど、
誰かが引き金になって私がコウタの前から居なくなったら、
その人を絶対に恨むコトになる、そう言った。
先のコトを考えているか分からなかった大仏。
先のコトをちゃんと考えてくれているコウタ。
それでも、コウタを選べなかったのは、
先のコトが不安だったからじゃなくて、
大仏と一緒にいた時間が大切だったから。
それに気付くと、コウタの気持ちが重くなった。
今まで以上に大仏と過ごす時間を大切に感じて、
でも、その時には遅かった。
さりげなくだったけど、ウソを吐くのが下手なヒトだったから、
大仏の気持ちが、離れてしまったコトに、すぐ気付いた。
いつも2人で行っていたゲーセン。
先に私が1人で行って、バイトが終わってから大仏が来る。
急用ができたからと、ドタキャンするようになって、
1人で帰るコトが何度かあった。
そこで働いていた友達が冗談ぽく聞いてきた。
私が感じていたコトを彼に話すと、気のせいだよと宥められた。
その帰り、大仏の家に向かいながら電話した。
出なかった。
友達に電話すると、俺も掛けてみるから待っててと言われて、
待ってる間に、大仏の家に着いてしまった。
彼から電話が掛かってきたけど、
やっぱり連絡が取れないという。
もう1度電話を掛けると大仏が出た。
『峠で走ってて、今帰る所。』そう言われた。
ウソだな、って思った。
大仏が寝ている横で、ずっと悩んでた。
携帯を、見てしまおうか...。
コウタに、もう会えないと伝えた。
コウタは『分かってた』って言った。
ずっと優しくしてくれてたコウタ。
いくら謝っても足りない。
私もコウタも泣いた。
『観音ちゃんとは共通の趣味もない。 アイツの方が共通点あるし、敵わないと思ってた。
でも、写真くらい撮っておけばよかったな。何も想い出が残らないじゃん。』
そう言って、コウタは笑った。
私は、何も言えずに笑うだけだった。
コウタは知らない。
私がゲーム好きだったのも、車が好きだったのも、
大仏と一緒のコトをしたかったから自然とそうなっただけ。
大仏と付き合ってから、殆ど何も手をつけなくなってたけど、
私が好きなのは、絵を描いたり、詩を書いたりするコト。
コウタが、詩を書いていたのを知ってる。
ホントは、大仏よりもコウタの方が共通点があったんだよ。
帰ってから、部屋に1人で篭ってた。
携帯が鳴って、コウタからだった。
やっぱり会いたいと言われて、
今までずっと聞き分けのいいヒトでいたコウタは、もう居なかった。
部屋の窓から見下ろすと、そこにコウタが居て、
昔、大仏と出会った頃に別れた彼とダブって見えた。
友達としか見れない、そう言ったけど、
それでもいいと言われた。
『いつか、自分を見てくれるかもしれないから。』
大仏に好きなヒトができたかもしれないコトを、
コウタは知ってた。
私が話したから。
それでも想っていたいと思った自分と、コウタが重なる。
本当に、私とよく似ているヒトだった。
好きなヒト以外はどうでもいい。
自分の気持ちが1番大事。
傍にいられるだけでいい。
コウタは、気付いていただろうか。
自分の気持ちを押し殺して、相談にも乗ってくれた。
ワザと、そうしてた。
私からは突き放せなかったから。
コウタが私に愛想を尽かして離れていくのを待っていたのか、
コウタの優しさを失いたくなかったのか。
多分、両方。
欲張りで、ずるい。
私が1番嫌うタイプの女。
私の恋愛エッセイに出てくる"悪い例"は、
殆どが過去の自分。
他人の相談に答えてる言葉は、自分に言いたい言葉。
だからキツイ。
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| 2002年11月13日(水) |
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