(仮)耽奇館主人の日記
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| 2005年07月29日(金) |
他人の夢に登場する。 |
私が見る夢は、その日の調子にもよるが、ほとんどが幻想と怪奇の世界である。 その世界に、私とつきあっているナマの友人、知人が「出演」することは、ほぼ毎日なのだが、その話はあまり相手にしない。 私が相手を、ほんとうはどう思っているのかを打ち明けるようなものだからだ。 従って、「昨日の夢に、おめえが出てきたぜ」と話すのは、お互いくだけた相手に限る。 で、そういう相手もまた、私が夢の中に出てきたことを話してくれるのだが、今回は他人の夢の中の私について。 まず。 私が初めて他人の夢の中に登場したことを知ったのは、中学の時だった。 ほとんどつきあいのない、クラスメートのK子と音楽室で隣の席どうしになった時、ノートにいきなり筆談で、「あなたの夢を見た」と書いてきたのだ。 私は最初、おいおい、ギャグか?と笑ったものだが、真剣に、熱っぽく夢の内容を語るので、なんともいえない気分になった。 何でも、K子の夢の中で、私は肉切り包丁で先生やクラスメート全員をメッタ切りにして、なお、その血肉を貪っていたのだそうである。 ハッキリ言って、気分が悪くなった。 「おまえ、オレのことをそう思ってたのか?よく分かったぜ」と捨て台詞を吐いたことを覚えている。 でも、後で思い返してみると、そう思われても仕方のない、何かが当時の私の中で渦巻いていたことは確かだった。 常に、イラついていたのだ。 次は、高校の時の倫理の先生。 もうかなりの年配の男性だったが、どうかすると、私がいつも決まったシチュエーションで現れて、重苦しい悪夢を見せるのだそうだ。 湖の真ん中でボートに一人乗って、釣りをしていると、全裸の、真っ白な肌をした私が水中で仰向けに漂いながら、にこにこしているというのである。 で、いつも、汗びっしょりで目覚めるとか。 当時の私は、それを聞かされて、どんなリアクションをしたか。 「消化のわるいものを食べたんですかね?」 鼻で笑ってそう言った。 そういう風に、いつもロクでもない役割ばかりだったわけだが、最近、沼正三先生の「家畜人ヤプー」を読んだ同僚が、ヤプーに改造された私を夢に見て、すごく納得したのだそうである。 「家畜人ヤプー」の世界で、私は登場人物のリンやクララ、ポーリーンたちを前に、イース帝国を作ったのは日本人だ、日本人が絶対的支配階級になるために、支配されるものになったのだと告白したというが、同僚もまた凄い夢を見たものだ。 初めて、悪い気がしない、他人の夢の中の私自身であった。 ともかく。 怪人や怪物、妖怪として登場することが多い私。 そのいずれも、私の、その人にとってのほんとうの姿として、ひとつの戒めとして受け止めたい。 今日はここまで。
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