書いておかないと 忘れてしまうので
午後いっぱい ハローワークと 訓練の申し込み そして 火が消えたような家へ
亡骸は キクも最後にいた部屋に 明かりをつけてひと晩 その押入れで リスも息を引き取った 最後までくるまっていた フリースの袋をベッドにして 小さな木の台の上に
いつも使っていた水入れと 殻を剥かないのが いくつもそのまま残った 餌の入ったトレイとお線香 それから 花芽を散らすのが好きだった 野の花なんかをボウルに入れて
小さなタオルから 顔だけが出ていて 頭を撫でてみると やっぱり硬くて けれど毛並みは 生きていた時のように つやつやと美しい
タオルをどけて 何度もそうしたように 小さなからだに 鼻をこすりつけてみる いつもと同じく 清浄で何の臭いもしない
昨日のうちに 埋葬の方法を相談した 火葬場では キクの骨さえ 燃え尽きたのが多かったので リスなんて 全部灰になってしまいそう
どこか他所へ埋めるのも 気が進まない下の子が 植木鉢と言うので探しに ファイバー製の 棺のようなのをひと目みて それしかないと思った
ほとんど日付けが変わる頃 少しだけ鋏で毛を切って 小さな袋に入れて残し 三人で土をかけ 周囲に野の草花を乗せた
ひまわりの種を植えればよかった 下の子が言うので またそのうち植えたらいいよと もう誰も涙はなかった ただ 胸の奥がからっぽだった
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