愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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2015年04月04日(土) コンビニネタ20

 三学期が始まり、日々が過ぎていきます。郭は、あれから一度(1月下旬)、コンビニに行ったよ。事前に連絡してからね。真田は、連絡受けたときすごい緊張しました。当日も緊張しつつバイトしてた。一緒に入ってた人に、「何かあった? 大丈夫?」って心配された。それで、バイト後、マチカフェしました。15分くらいの時間なんだけど、話のネタに困ったらどうしよう、と心配になった真田は、冬休み明けテスト(まあまあよかった)を持っていくという所業に出た。15分でどうしろと。郭は、やや困惑したけど、出来る範囲で対応しました。そして真田は、後悔しました。普通に近況報告をし合ったらよかったと。ほんとにな。
 2月に入ってから。学校で若菜に会った時、
「そーいや、そろそろ英士の誕生日だぞ」
「えっ、何日?」
「2/15だったな」
 違う。1/25です。
「そうなんだ」
 違うけど。
「バレンタインの次の日だな」
「あ、ほんとだ」
「あげるのか、チョコを」
「えっ、いやいや、それはないだろ」
「だよな」
「うん」
「でも、もし、英士にやるなら俺にも寄越せよ。バイト紹介してやったし。俺にも感謝の気持ちを示した方がいいぞ」
「バイト紹介してとか頼んでないけど!?」
「けど、よかったろ。結果的には」
「…まあ、そう言われたらそうなんだけど…」
「ほらな」
 そんで、真田は、あーどうしよー、チョコ、あげるか? いや、それは変だろ。いや、変なのか? 変な意味であげるんでなくて、いつもありがとうございます、って気持ちなんだけど。そして、誕生日おめでとう、みたいな。いや、誕生日には絡めない方がいいか。あげるのか。あげないのか。あげるとしたら、ほんとにあげられるのか。あげられたとしても、…引かれる?

 それから間もなく、郭から連絡があり、今度の土曜の予定を聞かれる。その日は2/17とかそれくらいの日です。バレンタインも郭の誕生日も終わってるけどそんなに経ってないという日。真田はバイト早出で、12時まで。郭は、夕方からバイトなので、昼から一緒に勉強できるね、ってなる。学年末テストも近付いてきてるし。郭が、よかったら家に来てって言うから、お邪魔することに。ちなみに、郭の家庭教師のバイトは、大詰めというか佳境というか、慌ただしい状況です。D高は公立。教え子は、願書受付を終え、一応推薦も受けることにしたが、それは受かるとは思ってなくて、もし受かればラッキーくらいのもの。あと、滑り止めの私立の入試も近付いてる。子も親も、ピリピリしてるし、どうしても郭は巻き込まれてしまう。なので、郭はまあまあ疲れてる。
 よかったら昼ご飯も一緒に、ってことになり、12時に郭がコンビニに迎えに来て、近くのラーメン屋とかで食べてから、郭家へ。
 それで、英語を中心に勉強するんだけど、途中で真田はハッとなる。勉強を教えてもらえるのは本当にありがたいし、嬉しいんだけど、もっとお互いの近況とか語り合ったり、雑談したいって思う。今更だけど。勉強を教える人、教えられる人、というんでなく、友達になりたいんだ。郭にしてみたら、真田は既に友達なんだけどね。
「あの、英士、ちょっと休憩していい?」
「うん、そうだね」
 そんで、真田が手土産に持って来た、母の手作りのガトーショコラを食べることに。
「雑談していい?」
「もちろん」
 郭は苦笑。雑談するのにわざわざ了承得るなんて。
「こないだ、バイトで、お客さんにF病院の場所を聞かれたんだ。その人は、車だったんだけど。ちゃんと説明できたよ。そしたら、すごい感謝されて、自分でも納得のいく案内が出来たっていうのもあって、すごい嬉しかった」
「そうなんだ。よかった」
「F病院以外にも、この近辺でめぼしい場所は、まあまあ説明出来ると思う」
 そんで真田は、ルーズリーフに地図を描き出す。
「ここが駅。それで、これが駅前通りで、ここがD高。国道がこうで、ここに、うちのコンビニ」
 真田が迷ったり間違ったら、郭が、「H寺はもうちょっとこっち」とかって、書き足したり訂正したりする。その時、真田は、郭のペンの持ち方を見て、あ、俺と一緒だ、って思う。それで、この辺りの地図が完成。
「できた!」
 この地図、大事にしよう、って真田は思った。郭は、真田が満足げなので、なんだか嬉しい。
「家庭教師のバイト、忙しい?」
「忙しいというか、それなりに大変だね。本当に大変なのは、本人とその保護者なんだけど、責任を感じるし、引きずられるね」
「そっか…。大変だね…」
「正直、思ってたよりしんどい」
 真田は何と声をかけたらいいか分からず、困惑する。
「一馬は偉いよ。バイト中、結構楽しそうだよ」
「えっ」
 楽しくはないけど!?
「夏に見かけたときは、このバイトは大丈夫かって、不安な気持ちになったけど、それもなんだか懐かしいね。すっかりちゃんとした店員になって」
「いやいや、まだまだです…」
「そういう謙虚なとこ、いいと思うけど、もっと自信持ったら。余計なお世話かもしれないけど。バイトのことだけでなく、勉強に関しても、集中力あるし、一緒にやってて有意義だよ」
「そ、それは、どうも」
 郭に褒められて、真田は、当然嬉しいけど、思ってもみないことなので、衝撃的というか。アワアワしちゃう。
 そんでまた勉強に戻って、いつの間にか夕方になり。郭はこの後バイトがあるから、そろそろ出る支度をしないといけない。
「じゃあ、そろそろ」
 と、郭が言ったので、真田は急いで帰る準備をして立つ。
「あ!」
 思い出したように言ったが、ほんとは、いつ言おうかとずっとソワソワしてた。
「何?」
「こないだ、ていうか一昨日、誕生日だって、結人から聞いて。おめでとう」
「ありがとう。一昨日じゃなくて、先月だけど」
「先月!? 2/15じゃなく!?」
「1/25だよ。別にどっちでもいいけど」
 数字の並び違うやん。真田は謝るけど、郭は全然気にしない。そもそも真田悪くないしな。
「その、それはそれとして、ちょっと言いにくいというか、どうするか、いいものか悪いものか、悩みに悩んだんだけど」
「うん」
「…先日、バレンタインというイベントがあり、その日は女子が意中の男子にチョコを渡すという習わしとなっているけれども、告白の手段や機会となるのに限らず、家族や友人間で、感謝の気持ちを示すのにチョコを渡すのが普通となっていて、」
「くれるの? チョコ」
「わー!」
「違った?」
「いや、そう、いや、そうというか、あげてもいいですか、という話。もちろん、変な意味ではなく、日頃の感謝の気持ちを込めて、です」
「謹んで頂戴します」
 それで、真田は慌てて鞄からチョコを出し、お渡しします。手作りじゃないよ。市販品です。
「ありがとう」
「いや、こっちこそ、なんか、ごめん。あの、当然、お返しは不要なので」
「いや、するよ。美味しいお菓子を日常的に食べられる人にどんなものをあげたらいいか悩むから、希望があれば言って。お菓子じゃなくてもいいから。何でも。考えといて。それで、そろそろ時間だから、俺も一緒に出るよ」
「あっ、ごめん! えーと、…バイト、無理しないで。って、俺が言ったところで何にもならないんだけど」
「いや、元気出るよ。ありがとう」


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