愛なき浜辺に新しい波が打ち寄せる
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昨日の続き。若菜と郭は、登校班が同じなんだけど、特に会話もなく、クラスも違うので、友達になることはなかった。二人は、三年生のときに同じクラスになる。若菜は友達が多く、郭は一人でいることが多い。同じクラスになっても、お互い避けているわけではないが、近付こうとはしない。クラスには、一人、力のある子(腕力があるという意味ではなく、学年における権力者という意味です)がいて、一年の頃から、弱いものいじめみたいなのをしたり、自分には高学年の友達がいるんだといばったりで、先生は大して問題視していなかったが、生徒達はよく思っていなかった。その子を仮にAと呼ぼう。ある日、Aは、午後の授業が始まる前、郭に、「おい、お前、俺に宿題見せろよ」と言う。いつもAに宿題を見せてる男子(勉強ができる)が、今日は休みだったのだ。Aが、普段はほとんど関わりのない郭(Aからすると、郭は関わる価値のない、つまらないクラスメイト。郭からしても、Aは然り。)にそう言ったのは、郭が勉強ができるから。できるんだよ。できそうでしょ。特別賢いわけでも勉強熱心なわけでもないんだけど、それなりに勉強して、それなりの成績を保っています。郭は、「宿題を見せたら、何をしてくれるの?」とAに言う。周りの誰もが、普通に宿題を見せるだろうと思っていたので、クラスは一瞬にして静まり返る。Aは、自分が何を言われたのか分からず、すぐには答えを返せない。 「俺がAに、ただで宿題を見せる義理はないよ」 郭の言いように、Aは憤慨。普段の郭なら、面倒臭いことは避けたいので、見せろと言われれば見せるつもりでいるのだが、このときは生憎、虫の居所が悪かった。この状況に、若菜はちょっと興奮した。郭に感心した。無口で、何を考えてるのかよく分からない郭が、学年一力を持っていると言っても過言ではないAに口答えして、Aを一瞬呆然とさせた。若菜は、入学当初からAのことが気に入らなかった。暴力を振るうわけではない、校則違反をするわけでもない。Aは、背が高く、運動ができ、いつも自信に溢れていて、自分より弱い者を従わせるのが好きだった。いつも何人かの取り巻きを連れ歩き、取り巻き連中に順位を付けていた。「お前は王様のつもりかよ」と、若菜は心の中で突っ込んでいた。めんどくさいから関わりたくないと思っていたAと同じクラスになり、若菜のテンションは下がっていた。そしたらAに、「若菜も俺らの仲間になるか」と言われ、さらにうんざり。「誘ってくれたのはうれしいけど、やめとくわ。一、二年からの友達いるし、」と軽く断ろうとする若菜の肩を強く掴み、「嘘つくなよ。うれしくなんか、ないんだろ」とAは言った。不敵に笑ってた。若菜は、肯定も否定もせず「お前、力強過ぎ。肩痛いんだけど」と返す。Aは、「考えとけ」と言って、去っていた。薄ら笑いを浮かべた取り巻きと一緒に。思い出すと腹が立つ。嫌になる。それはつい最近の出来事だった。 「おー、郭、よく言った!」 と若菜は手を叩く。若菜の言葉に、緊迫していたクラスの空気が少し緩み、所々で笑いが起こったり、同意の声が上がる。AとAの取り巻きは怒って、今にも暴れだしそうな勢いだったが、チャイムが鳴り、先生が来て、一旦中断。 その件以来、Aは、郭と若菜を目の敵にするようになった。色々嫌がらせを受けたが、郭は動じない。郭が動じないので、若菜も動じないように努める。クラスが、Aと取り巻きVS郭と若菜と若菜の仲間、という構図となり、険悪な空気に。そんなある日、Aが交通事故に遭い、救急車で運ばれる。夜間、Aが自転車で道路に飛び出して、車に撥ねられたのだ。命に別状はないが、大怪我だ。Aの取り巻きは途端に大人しくなり、クラスに一旦平和が戻ったように思われた頃、妙な噂が流れ始めた。 Aが事故に遭ったのは、郭が呪いをかけたせいではないか というような。 Aのことは、周りの多くの生徒たちがよく思っていなかったものの、面と向かって反発する者はいなかった。そんなAに立ち向かったことで、若菜達は「すごい」と感心されたり、「よーやるわ」と呆れられたり、応援されたり心配されたりだったのだが、郭に対しては、みんな感心はするものの、一体何を考えてるのか分からない、Aとは違う意味でなんとなく怖い感じがする、という思いを抱いている生徒が多かった。傍観者達だけでなく、若菜の友達もそんな感じだった。若菜の郭に対する評価は、「なんとなく感じ悪い奴」から「無口だし、よく分からないけど、度胸があって、いい奴」にすっかり変わっていたので、そんな変な噂が流れるのが納得いかなかった。 「一体、誰が言い出したんだよ、そんなこと」 「さあ。別にどうでもいいけど」 若菜はいらついているが、当の本人である郭は気にしていない。 「実際、かけたのか? 呪いを」 「実際かけてたら、死んでたかもね」 「おいおい」 「死ななくてよかったと、思ってるよ」 「でもさ、元気になったら戻ってくるだろ。そしたらまた、めんどくさいじゃん。事故ったのは自分のせいなのに、関係ない俺らをうらむ気がする。そういう奴なんだよ」 「どこか遠くに引っ越せばいいのにね」 「ほんとそうだよ」 そしたら、退院後、Aはほんとに引っ越しちゃうんです。 (郭って、まじで、なんかそういう力を持ってるのかもしれん…) と驚く若菜だったが、その後二人はかなり打ち解け、学校ではそんなにつるまないものの、お互いの家(同じマンション)をよく行き来し合う仲になる。その後、中学も一緒で、高校は別です。学力が違うから。 って、これいつまで続けるの(素)まだ郭と真田出会ってない…
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