| 2003年07月16日(水) |
Happy day? |
はい。創作小説パート5です。現実逃避というか・・・いや、現実逃避かな。 たぶん。^^; コバルト文庫みたいな少女小説とか、少女マンガとか好きな方、ヒマつぶしに どうぞー。↓ ************************************ 【Happy day?】
その日、私はイライラしていた。 その原因は、我ながら子供みたいで笑っちゃうようなものだったけど。
実は昨日は、私の誕生日だったのだ。しかし、親も妹も、家族中がすっかり そのことを、忘れていたのだ。
自分からアピールするのもバカみたいな気がして、黙っていたせいも あるのかもしれない。そして18歳なんて、もう祝ってもらう年じゃないのかも しれない。いい大人? 大体私なんて、バイトでほぼ毎日家にいないような ものだし、仕方ないよね。そういうの。 ・・・なーんて思いながら、心の奥では寂しさモードで一杯、という気持ちに なっていた。子供だなあ、と思いながら、それでも。
なんだか、大袈裟なんだけど、見捨てられた動物みたいな気持ちに、一人 勝手になったりしていたのだ。
そんな中、学校にはとりあえず真面目に行って、夜。 友達でバンドを組んでる人たちがいて、その人たちのライブの日だったので、 私は街に繰り出した。
「あ、カリン! 久し振り!」 「あ、菜子。元気だった?」 会場で、声をかけてきた友人と挨拶を交わしたり、飲み物を買って飲んだり しつつ、ライブが始まるのを待つ。(参考までに、私の名前は斎木果梨という。)
お酒の匂いとか。タバコの匂い。暗いフロア。光るライト。 大音響で鳴る音楽だとか。リズムだとか。ざわめきだとか。 好きだなあ。と思う。この中でしか生きていないような気持ちになって、 バカだなあ私!なんて思う。 でもそれくらい、麻薬みたいに魅力的。なんて、同時に思っている。
「よう」 そんなことを考えていたら、ふいに背後から声がした。 低い声。 振り向くと、そこには高倉大介、通称大ちゃんが立っていた。 「あ、大ちゃん」 彼を見た瞬間、笑顔になっちゃう私は、ハタから見ると彼になついている 子犬とか、そんな感じに見えるんだろうか? もろバレだろうか。この人のことを好きなのが。 ・・・そんなこと考えながら、笑顔になるのは止められない。 そして別に、止めなくていいとも我ながら思う。
「ちゃんと来たな」 口の端で笑う、ちょっとカッコつけたその笑い方。低い声。短い髪とか。 なんか我ながら、すっかり虜だなあ。と思う。 「そりゃ来るよ。私にチケット売ったの大ちゃんじゃん」 「それもそうだな」 「あと20分で開演だよ? 出演する人がこんなとこにいていいの?」 「いや、オマエを捜してた」 そう言われて、心臓が跳ねる。 「なに?」 なんだか慎重な気持ちでそう聞く私に、大ちゃんはふと笑顔になって。 「そんな緊張するほどのことじゃないよ。打ち上げ。ライブ終わったら いつもの店行ってな。菜子ちゃんも」 ふと隣にいた菜子の方にも視線を流してそう言う。私たちは二人で頷いた。 「チャールストン?」 大抵、打ち上げで使っているレストラン&バーの名前を挙げると、 大ちゃんは、そう。と言って、じゃあな。用事それだけ。と、あっさり ライブのために去って行った。
そして、ライブがはじまる。 “C・J”という名前の、その大ちゃん達のバンドが演奏している所を見る。 ボーカルは、タカヒロくんという子で。大ちゃんはベース。ギターは槙くん、 ドラムは太郎ちゃん。4人編成のバンドだ。年はまだ割と若くて、タカヒロ くんと大ちゃんが19歳、太郎ちゃんは18歳、槙くんは17歳。 まだ若くて、上手いか下手かと言ったら、下手なのかもしれないけれど、 聴いて、踊っていて、とても気持ちよく身体に響く演奏をすると思う。
「・・・いいよね」 思わず呟いたら、横にいた菜子に聞こえたみたいだった。 長い髪で、細くて、お人形みたいにかわいい彼女は、胸に手をあてた格好で、 真摯な様子で私の言葉に頷く。 「うん。・・・あの人たちと知り合いだってことが誇らしいってくらい」 そう言うと、少し、恥ずかしそうな顔で笑った。 「なーんて。大袈裟すぎるよね私も」 そう聞いて、私は首を振る。 「いや、わかるよ。・・・結構、私もそんな感じ」 「・・・そう?」 「うん。知っててよかった。本当に。って、思うよ。 すごい、カッコいいって言うか・・・気持ちいい音楽、やるよね」 そう言った私の言葉に、菜子は甘い笑顔で頷いた。私もそう思う。と。 *********************************** つづきます。↓過去をクリックして下さい。
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