『日々の映像』

2008年04月17日(木)  ショックの動きをもう一度

 この半年間で一番ショックを受けたことは、2007年12月5日に書いた最低賃法改定参院可決であった。この日の記述を引用したい。
「新聞に報道されている概要のみで具体的なことは何も分からない。立法府は法案を成立させても、国民に対して何の説明もしないのだ。この国の仕組みは官僚の職権が中心に出来上がっている。具体的には、厚生労働大臣または都道府県労働局長が最低賃金審議会の調査審議に基づいて決定する職権方式が中心になっている。法案は総論を決めるだけで後は官僚のさじ加減で決まるのだ。果たしてこれでよいのか。」
その後チェックをすると官僚のしゃじ加減で、一番高い東京で時給20円のアップとなっていた。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm

 このアップ率は僅か2.7%である。政府は貧困層を何とかしなければ・・・と言う気が全くないという意味で、ショックを受けたのである。東京で時給719円を20円アップして739円が法律で定める最低賃金なのだ。新潟県の最低賃金は657円である。法律がこのレベルであるので、現実のパート時給は4月13日日経の報道のとおり15.7円の上昇のみである。これでは国民年金を払えない人700万人、国民健康保険を払えない人が470万人も出て当然といわねばならない。

最低賃金制度
 最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度。仮に最低賃金より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとされる。
最低賃金法参院で可決

 パート時給15.7円上昇、正社員は前年割れ・UIゼンセンまとめ
                       2008年4月13日 日経

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パート時給15.7円上昇、正社員は前年割れ・UIゼンセンまとめ
                      2008年4月13日 日経
 流通、外食などの労働組合が加盟するUIゼンセン同盟が19日発表した今春の労使交渉の妥結状況では、パートの時給引き上げ額(加重平均)が前年同期を上回る一方、正社員の賃金改善額は前年割れとなった。新たにパートを正社員に転換する制度の導入に合意した組合も15出ており、焦点の一つだったパートの待遇改善を中心に交渉が進んでいる。
 妥結した36組合のパートの時給引き上げ額は15.7円と前年を3.1円上回った。要求額は26.2円だった。正社員は179組合で妥結。賃金改善額は前年より167円少ない1061円だった。
 4月施行の改正パートタイム労働法で正社員化制度の導入などが義務付けられる。労使交渉も同法に沿って進み、正社員並みの「慶弔休暇の取得」が9社、「通勤手当の支給」は5社が導入で合意。他組合についても今後交渉が続く見通しだ。

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石田ふたみ