『日々の映像』

2006年08月26日(土) 看護師争奪戦の背景

 地方の病院が医師だけでなく、看護師の確保にも危機感を募らせている。全国の国立大学病院などが、医療制度改革に伴い高度医療を支えるスタッフの充実を図ろうと、来春採用の看護師を大量に募集しているからだ。“超売り手市場”の中、都市と地方の看護師争奪戦は一段と過熱している。多くの解説があるが一つだけ例を挙げよう。「東大病院は、来春採用予定の看護師数を新卒・中途合わせて300人と設定した。例年の約2.5倍増しで、採用試験も初めて、仙台市など地方都市で行う」(8月25日河北新報から)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060825-00000001-khk-toh

 なぜ看護師争奪戦になっているのか。「従来は勤務する看護職員の1日あたりの平均人数が患者10人に対して1人いる場合が「最高水準」で、これに認定された病院の入院患者1人あたりの保険点数は1209点(1点10円)だった。改定により「10人に1人」の場合は1269点、さらに「7人に1人」なら1555点となった。「7人に1人」という認定を受ければ、ベッド数1000床の病院なら「10人に1人」に比べ、1日286万円、年間10億円も収入がアップする。もちろん、そのためには約4割も看護師を増やさなければならず、争奪戦になる」(8月23日・毎日から)という。要は厚生省主導のシステムの変更に伴う看護師の争奪戦なのである。なぜ、このような争奪戦起こるようにしたか、その背景に何があるのか、詳しく知る必要のある人は以下のアドレスを開いてください。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20060823dde012100002000c.html

 多少引用すると、この「7人に1人」のシステム変更に厚労省の狙いも見え隠れしているのだ。「看護師を確保できない病院は国の医療費削減策による他の収入減を補えず、財政が厳しくなる。そうすればベッド数は淘汰(とうた)される」(引用同)という構図なのである。社会的入院を解消するため現在の25万床から2012年度までに15万床に減らすという目標値も掲げられている。介護が必要なお年寄りの社会的入院も解消目指しているが、同時に中小の病院の縮小と淘汰も視野の中に入っているようだ。

 厚生省の強引とも思われる政策の背景に、日本の病院が反省しなければ点があるのだ。東北大学大学院医学研究科の濃沼信夫教授(医療管理学)は「1億3000万人の人口に、約130万人の看護師が働く現状は先進国の平均的水準だが、ベッド数は先進国水準の数倍」〈引用同〉だという。2倍なのか3倍なのかの資料は手元にない。厚生省の論理から言えば、「たいしたことのない患者を入院させているので医療財政が圧迫されている」という視点なのだ。日本の国の医療制度が破たんさせないために、強引と思われる政策も必要なのだろう。


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石田ふたみ