MOTOYANの日々題
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2021年09月03日(金) 温泉めぐり(市比野丸山温泉)

薩摩川内市の市比野は温泉の町で昭和のころは忘年会など泊りがけで宴会を行うおとなの温泉地だった。奥旅館とか今でも名残があるが、すっかり寂れてしまっている。
その市比野の小さな川沿いに入口さえもよくわからない古い温泉旅館の看板を見つけた。「温泉旅館丸山温泉」と読めるようだった。古びていたのでもう営業はやっていないと思って通り過ぎていた。発見から数年後に勇気を出して車を駐車して手ぶらで覗いてみた。受付があり、呼び鈴がおいてあった。階段の手すりには脱衣場に敷いてあるようなタオルが干されていた。
車に帰ってお風呂道具を持って呼び鈴を鳴らすと人が出てきた。入浴料150円を渡してこじんまりとした浴室に入ると人の気配はない。お湯が湯船からあふれ出し蛇口からはその量と同じ新鮮な温泉湯船に供給されていた。
シャワーからは湯が出てこないようなので洗い桶で湯船のお湯を汲み水で温度を下げながらざぶざぶとからだにかけてかけ湯をして湯に浸かると43度くらいで熱い湯だった。殺風景な浴室に1枚の張り紙があり「浴槽の湯を水で薄めないでください。温泉の質が下がります」と書いてある。水で薄めようにも水道の蛇口もないので不可能だ。シャワーから水を飛ばせばできそうだが、注意書きがあるので少し我慢して入る。慣れてくると数分なら浸かっていられるほどに慣れてくる。
泉質は弱アルカリ性単純温泉と書いてあるが、トロリとしてリンスみたいな湯で何よりも新鮮だ。無色透明・無味無臭で何もないのだが、近くを通るたびに浸かりたく温泉だ。施設は古いが、まだ他の入浴者と会ったことがないひとり風呂でリーズナブル。客が少ないのにどうやって営業しているのか不思議だが、お湯はタダだし、呼び鈴が鳴った時だけ出て行けばいいし、ほかのことをしていても20人が利用すれば3000円の収入になるわけだ。さすがに旅館はやっていないようにみえる。
新鮮なお湯に浸かれてリッチな気分になるが、入浴後の異常なほどの発汗さえクリアできれば一押しの温泉なのだが。


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