MOTOYANの日々題
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| 2021年08月30日(月) |
サービスと余計なことは紙一重 |
このコロナ時代に多くの人たちに感動と元気を与えてくれたもののひとつはブルーインパルスだろう。医療従事者を励ますという名目で東京上空を飛行したのを最初に東京オリンピックとパラリンピック開会式に東京上空を飛行して彩を添えた。 宮城県の松島基地を本拠地にしてイベント参加時はそこの近くにある航空自衛隊基地を離発着する。東京の場合は、埼玉県の入間基地となる。マッハの世界に迫るスピードで飛行するので多少遠くても問題ない。 最新のパラリンピック開会式に合わせた飛行展示では、シンボルマークのスリーアギトスにちなんで赤・青・緑のスモークを使って大空にマーキングした。あいにくの曇り空で完璧とまではいかなかったが、きれいにマークされた。 展示飛行が終わり、入間基地に帰ってきた。某テレビ局が帰還する様子まで中継していたのでみていた。戦闘機は旅客機のように滑走路に向けて低速で着陸すると撃墜される危険があるので「オーバーヘッドアプローチ」という手法を使う。滑走路上を高速で飛行し、その後360度のターンで速度と高度を下げながら着陸するが、ブルーも滑走路上空を飛行中に色のついたスモークを出していた。 これがのちに大きな問題を引き起こすなどと誰も思わなかった。入間基地に近い住民から車に塗料がついているという報告が多数上がってきた。数百台に及ぶそうだ。都心では上空の高い所だったので塗料は拡散されて地上では目立たなかったが、入間では上空300mほどだったのでそのまま地上に降りかかった。 隊員は「入間の人たちに喜んでもらいたかった」と言っているように任務外のサービスだった。再塗装の賠償に応じるらしいのでよかれと思ったサービスがあだになってしまった。隊員を攻めるのはかわいそうだが、今後はこのようなサービスはなくなるだろう。余計なことをするな!は少し寂しい。
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