MOTOYANの日々題
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2020年07月27日(月) 苔壁への落書き

天気予報では、今日の雨が今年の梅雨最後のようでやっと夏がやってくる。
道路の端や擁壁に例年になく、苔が生えていて雨に濡れると見方によってはとても美しい緑色を呈している。
乾燥すると茶色で汚く見えて、擁壁などのコンクリートに棒で文字や絵が書ける状態となって落書きの対象とされる。内容はほとんど下品なものか、傘マークに相合傘よろしく二人の名前を書いた超クラシックなカップル告知が多い。
この相合傘は最近では擁壁でしか見られなくなった。二人が、一つの傘に入って寄り添うところを表していると想像するが、かなり昔からあったので起源は知らない。好きな人とカップルになりたいという願望、他のカップルへの嫉妬、カップル誕生の告知などいろいろなケースがあるだろうが、自分の名前を世間にさらすことだから、落書きの大半がそうであるように、自分では書かないと思われる。書かれた人が竹ぼうきで苔をコサギ落として消すが、相手が苔だから消せるのでまだ可愛い。
SNSなどに書いた落書きは、消せない。これによって取り返しのつかないことになってしまうこともある。人間にしかできない落書きは、心から発せられるメッセージであり、時には大きな発見につながることもある。欲望や葛藤、自制、嫉妬など様々な心の状態が文字や絵で表現できる。
海外では公共の場にペンキでアートような落書きが書かれていて日本でもシャッターなどにかかれるようになってきているが、簡単に消せないものが多い。落書きだからいずれは、落ちていくものだと思うが、文化財に傷をつけて書いたりなど落ちていかないものもある。
日記も落書きの一種だろう。書いた人が生きているうちはまだ消せるが、死んでしまうと消せない。ファッションデザイナーの山本寛斎さんが亡くなった。あのデザインは、ほぼ落書きにしか見えなかったが、後世に残されていくのかそれとも消えてしまうのか注目される。


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