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漫画関連ファイル


2004年05月22日(土)
『雨柳堂夢咄 其ノ十』

今回の単行本には好きな話がいくつかあって、年神さまとか、獏の話とか、雨の日の話が本誌で読んだ時から気に入っています。で、シリーズの中のシリーズという感じの釉月の話は、ええとー、これはどういう話だっけ?と、すっかり筋を見失っていたりしています。昔は、漫画のストーリーを見失うなんて事、立ち読みだけでも無かったのになあ・・・・
まあ、それはさておき、様々な骨董に秘められたいろいろな話を描いたものが、やっぱりおもしろい。そして作者と同じ町に住んでいるので、文章だったら行間にあるもの、漫画だったらコマとコマにあるものが、なんとなくわかるような気がして、そういう意味でも楽しい。
階下に住む義母も嫁入りの時、花嫁暖簾を持ってきました。狐の嫁入り柄ではありませんが。本当なら嫁入りの日だけ飾るのかもしれませんが、きれいなので、お正月に壁にかけています。加賀友禅の暖簾は華やかだけれども、落ち着いていて私は好きですよ。雨の日の話を読むと、雨降りの坂道を傘をさして歩く時の、ざわざわする木の葉や、水溜りの水音や、斜面から見え隠れするかわらの屋根や、そういったものでできている記憶がよみがえって、きっと人よりもずっと楽しませてもらっているような気がします。