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漫画関連ファイル


2004年05月11日(火)
『毎日かあさん カニ母編』 西原理恵子

これは、友人に紹介してもらって、ネットで連載第一回を見たときから、がつんとやられた感じでした。第一回目はまるで、詩のような、深いところから出てきたような作品でした。ちなみに、月に二回、毎日新聞のWEBサイトに作品が載ります。こんな感じ。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/etc/riezo/

しかし、連載何回目かに、新聞社とけんかして、連載はやめたんじゃなかったの?今も続いているということは、仲直りしたんだな。どっちが折れたんだ?新聞社か?
新聞にサイバラの漫画が載っているのは、不思議なような、やっぱりというような矛盾した気持ちがあるんですが、この作品も、すごく面白いんだけれど、そのままやっていけるのか?というふうに読んでしまいます。もともと破滅型のような生活を送ってきたサイバラが母親なんていう保守の最たるものをやっているんだから、しかたがないことかもしれません。どこまでが本気でどこまでがギャクか?どこまでが演出でどこまでが事実か。幼稚園の連絡帳に漫画を描いて、先生に受けたら、ついついさらに受けをねらってしまう、というのは、この連載にもいえるのかもしれない。でもね、私はこの作品も好きです。作者自身が、いろんなものに引っ張られて二進も三進もいかなくなることだけが心配。自己矛盾を抱えたまま図太く生きていってほしい。お子さん達に読み聞かせしている本も、王道です。早期教育の精霊なんかも降りてきています。ほんとにお母さんしてるんだなあ。サイバラをかわいがってくれた亡くなられたおじいちゃん。親戚の暖かい人たち。そういう人たちの存在が根っこにあるから、大丈夫なのかも。
いや、しかし。新聞の一般読者にサイバラの漫画が浸透するよい機会だろうけれど、「感動しました」とか、「泣いた」とかいう感想文を読むと、ううむ。確かにそうだが、それだけではないぞ・・・と複雑な気持ちになるのでした。

投稿者 SOKE : 2004年05月13日 09:06