月刊メロディに読みきり連載の形で載っているこのシリーズも 第三話が終わったところで、なんとなく方向が見えてきました。 よしながさんには珍しく女の子が主人公。 第一話の母娘の周辺で起こるいろいろな物語。 第一話は、母が再婚する際に娘が感じるさみしさ。 第二話は、ひどい男に尽くす事が何よりも好きな女の子。 第三話は、人を差別することのできない女の子の話でした。 どれもこれも、少女漫画のセオリーにことごとく逆らっているかのような話のつくり。 これはわざとやっているとしか思えない。 ボーイズ雑誌を離れて、普通の漫画誌に連載するにあたり よしながさんはやっぱり自分の切り口から入っていこうとしているような気がします。 果たしてそれが実を結ぶかどうかは、まだわかりません。 少女漫画の読者はステレオタイプな物語を好むと思います。 少女漫画の範囲内で、様々なバリエーションを楽しむけれど ある地点を越えると、少女漫画ではなくなってしまう。 その固定観念は私自身の中にもあるということに最近気がつきました。 よしながさんも、ボーイズを描きながら、少女漫画的なものを描いてきたと思います。 女の子が主人公になったら、それはやめるのかな? まるで別の生き物を見るように描かれた主人公達は なんだか生身の女の子に見えないんですけれど、これこそが生身の女の子なのかな? しかし、それはお話としてはいかがなものでしょう。
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